バリ島駐在記「コモドドラゴン島へのツアー」

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コモドドラゴン

 かつて、コモド島で「最後の恐竜」を見ようとする場合、バリ島から船で行くしか方法がなく、片道だけで2日がかかり、現地で3日、帰還に2日という日程が組まれていた。そのような交通事情から、あえてツアーでコモドドラゴンを見に行こうとする観光客はわずかな数だった。

 最近になって40シートの「フォッカー」と呼ばれるジェットプロップ(有視界飛行のみ可能)が離発着できる空港がフローレス島のラブハンバジョという漁港にでき、デンパサールから直行するレギュラーフライトととしてスケジュールされ、片道1時間39分と、時間が大幅に短縮された。コモド島はフローレス島と海を隔てて隣に存在するが、コモド国立公園と指定。ユニセフからは自然環境遺産として登録されている。

 JTBによれば、ツアーは3日間で、ダイビング、フィッシング、ドラゴンツアー、トレッキングなどが組まれ、宿泊は船中泊かラブハンジャワにあるホテルに宿泊するか、いずれかを選択できるという。コモドドランゴンを主体に観光したい向きには船中泊が提案され、トータル40人が泊まれるキャビンが設備されている。むろん、個室もある。

  まず、海のことに触れれば、このあたりはむかし沖縄からプロのダイバーが訪れ、ボタンにするタカセ貝をさかんに採集した歴史があるが、人口が少ない上に、小さな島が寄り集まっている関係で、海は比較的穏やか、人口が比較的少ないため水中の透明度、透視度ともに悪くない。

purikomodo

 上の地図では左端の島がバリ島、黄色の矢印がフローレス島のラブハンバジョ空港を示している。

 コモド島は「人食いドラゴン」が2千頭も生息するから、人は居住していないと思うと間違いで、人口はこの時点でおよそ1000人弱、人々は高床式の住居に住んでいるので、危険はない。

 また、コモド島にはレンジャーも常駐していて、コモドドラゴンの観察はもとより、ここを訪れる観光客らの身の安全をはかりつつ、案内もしている。

 コモドドランゴンは最大で3.13M、体重は167Kg、オス一頭にメス二頭がグループを形成、オスは8歳、メスは7歳で交尾を始める。平均的な体重は90キロ、基本的に肉食だが、歯が鋸状で強いだけでなく、唾液には60種を越す猛毒バクテリアを持っている。食用にされているのは、猿、山羊、猪、鹿、蛇、ウミガメの卵、ネズミ、野鳥類などで、コモドドラゴンが食べ残したものに野鳥や小動物が群がって口に入れると、口に入れた動物もバクテリアが体内にまわって、敗血症を起こし、死に至る。当然、コモドドラゴンは両方をいただいてしまう。

コモド5
(獲物を追い駆けている図)

 コモドドラゴンは時速8Kmから10Kmで走り、500Mくらいは泳ぐこともでき、島から島へ渡った記録もある。また、コモド島のほかにもコモドドラゴンが生息する島があり、その島をリンチャ島といい、「ワイルドなトレッキング」を好む人にはぴったりのコースが用意されている。コモド島に1,700頭が、リンチャに1,600頭が確認されている。

 また、コモドドラゴンは意外にしつこく、いったん追いはじめた獲物を途中であきらめることはまずない。相手が疲れきって動けなくなるまで追従するという。

 最近、イギリスの動物園で飼われていたコモドドラゴンが二年以上交尾のなかったメスが突然卵を産み、それが孵化し、子共が生まれたことで物議をかもしている。子共のDNAをチェックした結果、DNAは母親からのもので、父親らしきDNAは見つからなかったという。卵を長期保存できる仕組みを持っているという説よりも、自己再生能力(メスの魚がオスの魚がいなくなると、一匹がオスに変身するように)ではないかとの説が有力で、動物学的にはクローンであり、学者間でなお議論が続いている。

 また、専門家によれば、6500万年前に起こった、いわゆる「第二の破局」(直径10キロの隕石が落ちて地球の大気組成に影響を与え動植物の大半が絶滅したとの説)をうまく生き延びた可能性があり、たまたま小島が多数浮かぶエリアであったことがこの種の生存を援けたのではないかとの憶測を述べている。

コモド2
(コモドドラゴンをあしらった金貨)

 コモドドラゴンは体温が急激に下がると、胃の中のものを吐き出して死ぬことがあり、逆に体温のオーバーヒートによって死亡するケースもある。

コモド4
(コモドドラゴンの爪)

 もし、コモド島へのツアーを望むのなら、持参するものにも充分な注意が必要となる。日焼け止め、虫除けスプレー、懐中電灯、帽子、サングラス、香取線香、着替えのシャツ、レインコート、タオル(最低でも2枚)、スニーカー、サンダル、水着、スナック、充分なルピア小銭(クレジットカードが使えないから)、ミネラルウォターなど。

 コモドドラゴンはいまやどこの動物園でも見られるし、私自身バリ島でもスラバヤ動物園でも見たが、コモド島やリンチャ島で野生として生息するコモドドラゴンは動物園で飼育されている同じ生物かと思うほど、動きにも目つきにも違ったものが窺え、迫力の点で雲泥の差がある。

 私の同僚だったM君(以前、大トカゲを共に食べた)はこのツアーに入れ込んで、船でしか行けなかったときから、すでに3,4回はコモド島を訪れ、日程その他の工夫をしていた。いわば、コモド島のエキスパートといっていいだろう。

 私も野生のドラゴンが見てみたいが、詳しいことが知りたければ、ツアーを催行しているJTBは好きじゃないけど、ここに問い合わせるしかないだろう。


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