バリ島駐在記「通貨ルピアの暴落」続編

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カンベングリンシン
(写真はカンベン・グリンシン)

 その10で、「通過暴落によって大儲け」という話をしたが、私以上に機敏だったのがオーストラリア人の知己だった。

 その1「バリ島の歴史」で触れた原住民、バリアガのもう一つの集落、トゥンガナン村の特産品として名高いのが上の写真にある「カンベン・グリンシン」という名の織物。 大島紬と同じく、縦横に糸を通し手間をかけて造るため、通常「ダブル・イカット」と称し、バリ島としては信じられないほどの高値で取引されている。

 私の知るオーストラリア人はルピアが暴落するや、すかさずトゥンガナンに車を飛ばし、ありったけのルピアを使って、まだインフレの影響を受けていない「カンベン・グリンシン」の織物を大量に購入、インフレが明瞭な形となって社会を席巻しはじめると、これをトゥンガナンでさらに高くなった値段から2割引という価格を設定し、同国人に売り払い、ほとんど年俸を超える収入を得た。

 後日、この話を耳にした私も、私の同僚も、どのくらい歯噛みして悔しがったか想像に任せるが、上には上がいるものだと、納得せざるを得なかった。

 ただ、Troubles occasionally make money. (トラブルはときに金になる)という、むかし私が創った言葉はやはり真実であることを確認できた。


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