あめゆきさんの歌/山崎朋子著

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あめゆきさんのうた
「あめゆきさんの歌」 山崎朋子著 文春文庫

 
 アメリカで身を売った女の出世物語。

 昭和の歴史が流行しているのだったら、「この本も」という気持ち。

 昭和ひとけたの作者ゆえかどうか、ワンセンテンスが長く、しつこい印象があり、読みにくい面はある。が、それが、ここでも読者を立ち止まらせる効果をもち、力があるから結局さいごまで引っ張っていくし、記憶にも強く残る。

 ただ、ノンフィクション作家としての、執拗なまでの事実確認、なにかに追いかけられているようなインタビュー手法とそれを重ねていく迫力、そしてその労力、いずれにも感嘆。この作品が書かれた時代、日米を往復することには費用の面だけでなく、苦労が尽きなかっただろう。一々、ビザが必要で、お金の持ち出し枠も僅かだった時代である。

 本書の内容はそうした苦労や出費を強いられたとしても、それだけの価値はあったと思われる。


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