おそろし/宮部みゆき著

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おそろし

  「おそろし」  宮部みゆき

   2006年1月ー2008年7月まで「家の光」で連載。

   2008年7月 単行本として初版(429ページ)

   副題:三島屋変調・百物語事始

   帯広告:息をのみ、ふるえ、涙して

 この作者の時代物には初めて接したが、内容は荒唐無稽、あり得ない話の連続とわかっていながら、最後まで一気に読まされてしまったのは、作者の力量というべきか、筆力というべきか、ストーリーの展開の面白さというべきか、本書に込めた作者の意欲が伝わってきて、その迫力に押されっぱなしだった。

  内容は哀切ではあるが、「家が人を呑む」などという非科学的な内容が哀切感を殺いでしまっているように思える。むろん、世界には科学では説明の出来ない現象が幾らもあり得るが、いずれ僅かずつではあっても、これまでがそうであったように、解明されていくだろう。

 ただ、本書を読みながら、しきりに想起されたのは、歴史小説家、伊沢元彦の「日本人は怨霊を恐怖する民で、そのため、怨霊を慰撫する目的で多くの寺院が建立された」という説である。要するに、日本人は基本的にアニミズム信仰の民族ということ。

 


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