おへそはなぜ消えないか/武村政春著

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「おへそはなぜ消えないか」 武村政春(1969年生/東京理科大学教授)
新潮社より2010年2月20日 新書・初版  ¥680+税

 タイトルに目を奪われて入手したが、肝心の「へそ」に関しては:

1)人は雷に「へそをとられ」、

2)気に入らないことがあると「へそを曲げ」、

2)おかしくてたまらないとき「へそで茶を沸かす」

 とお茶を濁された。

 

 本書には専門用語が溢れ、理解を超える内容が多く、僅かに記憶に留めたのは以下:

*「へその緒」は母親の貴重な血液を受けとめ、しっかりとった栄養分を胎盤から胎児に供給するパイプライン。

*多くの動物が出産後に胎盤を食べるが、人間社会にも胎盤食文化はある。

 (胎盤が化粧品の材料になるという話は聞いたことがある。バリ島のヒンドゥー教徒には、妻の出産後、夫が胎盤を家の一角に埋める習慣がある。中国では胎盤どころか流産したり堕胎した死児までも売買され、薬に用いられたり、食用にされたりすると聞いている)。

*鮭が川を遡上し、全力で体外受精を行い、次の瞬間には力尽きて死に至る、これこそ生物本来の姿。交尾が終わったとたんにメスに食われるのはカマキリのオス。こうした例に比べ、人間は生殖年齢を過ぎてから生きる年数が長すぎ、生物として不自然。(性器の利用目的が生殖であることは僅かで、大半は快楽であるという動物は人間だけ)。

*人間が今存在していることは、38億年から40億年前に誕生したとされる全ての生物の祖先である原始細胞の分裂が今に至るまでずーっと続いてきたことを意味している。

*ものは何でも古くなる。細胞も同じ。

*老化は皮膚の再生能力の低下という形で最も顕著に現れる。

*思春期を過ぎると、性ホルモンは胸腺を退縮させ、世代交代を促す。だから、去勢すると、その影響を除くことができる。

*人間はこの地球上で何百万種も存在する生物のなかでも究極の異端児。

 以上列記した言葉だけでは本書の全貌を伝えることも、内容を紹介することにもならないことは承知している。

 

 タイトルから想像した内容とは大きな隔たりがあったことも事実。想像力の貧困かも知れない。


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