わたしが出会った殺人者たち/佐木隆三著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

わたしが出会った殺人者たち」  佐木隆三著
2012年2月15日 新潮社より単行本初版 ¥1700+税

本書は、過去に、といっても主に戦後に日本社会を震撼させた犯罪ばかりを対象に、その実行者である被告に面と向かい、取材に専念した長期にわたる経験と、思いとを著したもの。

ここには多くの犯罪が取材対象になっているが、読者側の立場からはそれぞれの犯罪に関しては記憶の面で強弱がある。

とはいえ、サリン事件の松本千津夫こと麻原彰晃や、和歌山市の林真須美の毒入りカレー事件などは時間の経過と平行して人々の記憶から遠くなるということはないだろう。

本書の内容はタイトルの通りで、それ以下でも、以上でもない。

私個人が日常感じていることは日本の司法が時間をかけすぎていることだ。

なぜあれだけの人の命を奪った麻原が国民の税金を使って、今なおのうのうと生きているのか?遺族の方々の気持ちは察するに余りあるものがある。とくに、長野で被疑者にまでされ、奥さんを失った方の胸のうちを察すれば、こちらの胸も痛くなる。

前例のないことを司法が徹底して避ける姿勢も不可解。

小学生が集団登校しているところに突っ込んだテンカン体質の男の件は、いったい誰が責任をとるのか? また、精神を病んでいるケースでは、罪を免れ得ることはいいとしても、精神異常の人間にライセンスの発行を可とする以上、そのことが起こした事故に対する責任は問題として残る。被害者にとっての単なる「不運」ではすまされないはずだ。


前後の記事

«  (前の記事)

(次の記事)  »

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ