シックスポケッツ・チルドレン/中場利一著

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「シックスポケッツ・チルドレン」 中場利一著
集英社 2007年1月初版 単行本

 
 一読、「漫画を読んだ」というのが正直な感想。

 ほのぼのとしていて、明るくて、癒される内容だが、関西を舞台としてしか成立しないストーリー。東京生まれ、関東育ちの私の子供時代とはおよそ異なる世界。

 外国語に翻訳して外国人に読ませたら、日本の、ある意味で、現実的でもあり得る一面が紹介できるし、内容的にはこれまでに翻訳された小説、文学とは、百八十度の趣の相違をアピールできるに違いない。

 その点に留意すれば、レベルを超越して、日本を紹介するガイドブックの一書にはなり得る。

 なんの抵抗もない面白さが全編を覆い、埋め尽くしている。

 ただ、TVでしばしば目にする吉本興業出身者が互いに、あるいは一方的に、相方の頭を叩いたり、どついたりする姿は少なくとも関東の人間には不快感が強い。本書はそうした関西人の、(あるいは関西の一部地域の)一種の癖のようなものを登場人物らに抵抗なくやらせる場面から、互いの環境や習慣の差、違いを知る機会にはなった。

 面白いのは、不良と非行の違いを、「1人で10人を相手に立ち向かうのが不良少年で、10人で1人を寄ってたかってやっつけるのが非行少年」という下りは、妙に説得力があった。


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