ストーンヘンジ/ロビン・ヒース著

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「ストーンヘンジ」 ロビン・ヒース(イギリス人/天文学者・数学者)著
副題:巨石文明の謎を解く
訳者:桃山まや
2009年11月10日 単行本初版  ¥1200+税

 

 最新の年代測定によれば、イギリスに多く存在するストーンヘンジは紀元前3千年に遡(さかのぼ)るといい、「南から北に伝播した文明」というイメージは間違いで、イギリスにはイギリス独自の文明の芽生えがあったとの主張。

 巨石がかなりの距離を運ばれたことは解っているが、どのようにして、どのような目的のためかについては諸説があり、一定しないものの、季節によって日の出と日没が変化し、同時に月の満ち欠けも変化する二つの天体を目撃できる場所にストーンを並べ、それによって太陰暦を探ったという意見が吐露されている。

 ストーン・サークルはイギリス以外にも多く見られるが、それらに関しての紹介はない。

 紀元前3千年といえば、イギリスでは石器時代であり、文明という言葉で修飾できるレベルであるようには思われず、本書からはイギリス人の顕示欲、矜持が窺われる。

 尤も、中国の農耕文化の遺跡なら紀元前5千年から4千年といわれるし、エジプトも同じ年代には勃興しており、紀元前2千年には既にバビロニア、ヒッタイト、ギリシャを支配下に置くという大国に成り上がっていた。したがって、文明は「南から北へ」というイメージは変わらない。


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