チューリップ・バブル/マイク・ダッシュ著

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ちゅーりっぷばぶる

「チューリップ・バブル」 マイク・ダッシュ著
明石三世訳 文春文庫

 

 オランダがチューリップの国だということはだれもが知っているが、チューリップがかつてこの国でバブルを惹き起こした歴史は知られていない。

 たかが花とあなどってはいけない。江戸時代の日本人はおそろしく草花が好きで、朝顔なはど改良に改良を加え、新しい品種をつくった歴史もある。そういえば、盆栽も江戸の日本人が考えて創作したのではないか。

 オランダが南の邦から原種をもちこんで多くの品種を創作、するうちマーケットで高値のつく品種が現れ、つれて人々が夢中になっていく過程がよく理解できる。 人気のある新種を創ることに成功した球根には信じられないくらいの膨大な値がつき、市民は競って、珍奇な球根づくりに耽溺、やがて価格が暴落するという図式を辿った。

 チューリップの球根にすらバブルがあったことを知るうえでは格好の歴史書。

 オランダはいまでもチューリップ球根の輸出国としてはナンバーワンの地位を保っている。

 また、著者がよけいなことには触れず、チュリーップに絞って、この書をまとめたことも、読み手に強い印象を伝えることに成功した素因だろう。


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