モンゴル襲来と神国日本/三池純正著

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「モンゴル襲来と神国日本」
三池純正著 洋泉社新書 ¥860+税

 

 13世紀、モンゴル帝国が世界に覇を唱え、君臨した時代、中国はチンギス・ハーンの孫、フビライの支配下となり、国名を「元」と称した。

 そうした時代背景のなかで、フビライは日本に入朝を迫り、何度も使者を送ったが、朝廷も鎌倉幕府も相手を軽く見て応じず、無視したり、追い返したり、殺したりした。結果、二度にわたる襲来を招いたものの、モンゴル軍はファーストアタック時には艦隊が帰国時に、セカンドアタック時には九州北岸の沖合いで台風に遭遇したことで、日本は難を逃れる幸運を得たが、文字通りラッキーだったというだけ。

 にも拘わらず、朝廷も幕府も「寺院の僧侶らによる祈祷が功を奏した」という安易な思い込みに終始、以後、「日本は神国であり、日本は恒に神風が守っている」との幼稚な考えが蔓延、ひいては全国的にクソ坊主どもが蛮居する結果をももたらしたように思われる。

 日露戦争においても、太平洋戦争においても、モンゴルを相手にしたときと同じく、相手の大きさに関して確たる認識が欠落し、まともな情報を得ようという姿勢にも悖(もと)るところがあり、相手を計って、冷静に判断する神経がなかった、あるいは鈍かったというのがこの国の為政者に共通した外交的欠陥であったように思える。

 「神風・日本」という観念は、モンゴルによる侵攻以来の迷信がもたらしたものであり、情報の入手、伝達に関する杜撰さや外交する上での拙劣さの素地が今に継続している。

 1274年の文永の役、1281年の弘安の役について新しい文献、資料をベースに詳細を説明した内容で、読みごたえがあり、推奨の一書。


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2 Responses to “モンゴル襲来と神国日本/三池純正著”

  1. withyuko より:

     hustlerさん、もうおかげん、すっかりよくなられたんですか?
    更新してくださったのがうれしくてコメントしてしまいました。
     新年あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。
     元寇についてのコメントでなくて申し訳ありません。
     
     

  2. hustler より:

    withyukoさんへ
     ご心配かけました。退院はできたんですが、百パーセント改善したわけではなく、今後もちょっと厳しい日々が続くかも知れません。
     でも、読書はやめられませんよね。
     今年、withyukoさんも、頑張ってください。
     以上、hustlerより友情を込めて。

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