世界を見る目が変わる50の事実/ジェシカ・ウィリアムズ著

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「世界を見る目が変わる50の事実」  ジェシカ・ウィリアムズ(イギリス人)著
英国公共放送BBCジャーナリスト
訳者:酒井泰介
草思社  2007年5月初版 単行本

 

 植民地の拡大に狂奔したイギリス人がこのような本を書いたことに驚愕。

 世界に存在する人類特有の悪行、罪、病気、貧困、利器による死亡などなど、それぞれが数値となって示され、読むことに飽きがこない。

 (  )内は私の意見や思ったこと。

 1.肥満が増えているのは世界的事実。アメリカに行ってみれば、メタボリック症候群の男女がわんさといる。(カロリーに配慮するしないはそれぞれの人の勝手。サモアやフィジーでは、ペットフードを食わされて肥満したというが、ポリネシア系は恒常的に海風にあたるため肥満は進化のプロセスにあった。最近は、アメリカやイギリスのテレビに影響されて、ダイエットに取り組む人が増えているそうだが。とはいえ、アメリカのデブは半端ではない)。

 2.10代女子の妊娠はアメリカが1000人のうち52人が出産、イギリスが1000人のうち31人が出産、日本が1000人のうち5人が出産。(西欧ではキリスト教的倫理観から堕胎を容認しないからだろう。イギリスにはイギリス女性が書いた「ヴァギナ」という最高の性教科書があるのに=2006年3月11日に書評するも、アメブロ運営側によって削除)。

 3.中国は一人っ子政策の名残で、女性の数が足りない。(何人が堕胎され、何人が未登録か不明)。

 4.死刑制度:

 2002年、アメリカ71人、中国1060人、イラン113人、サウジアラビア86人が死刑になった。中国ではガソリンを盗んだだけで死刑。(シンガポールだって、麻薬を持ち込んだだけで即死刑。中国には未だ「人権」という考え方がない。13億とも15億とも言われる国で、一年に1000人程度が殺されてもたいしたことではないのかも知れない。ここには明示されていないが、ロシアではどうなのか? KGB出身のプーチン政権が裏で何をしているか想像はできるが)。

 5.牛一頭への助成金:

 EUではトータル100万頭の牛がいるが、1日につき2.5ドルの助成金がつく。日本では、1頭、1日につき7.5ドルの助成金がつく。(オーストラリアやニュージーランドではどうなのか。助成金が支払われないから、肉がまずく、価格も安いのかも知れない)。

 6.同性愛者は70か国で違法、9か国では死刑の対象。

 モーリタニア、スーダン、アフガニスタン、パキスタン、チェチェン、イラン、サウジアラビア、アラブ首長連合国、イエメン、いずれもイスラム教国では死刑。1979年のイスラム革命以来、イランでは4000人以上の同性愛者が処刑された。他の70か国では、処刑には至っていないものの偏見が強く、性倒錯者として見られる。米国では2003年に同性カップルのセックス禁止の州法が憲法に違反するとの判決が出、全米で同性愛者の結婚が許されるようになった。

 7.貧困者:

 1か月に3500円以下で暮らす8億人が飢えに苦しんでいる。慢性的な栄養失調の人が20億人、飢えや病気で亡くなる人が1800万人。毎年、5歳未満の子共が1000万人死亡している。

(当事国の為政者の家庭はだれも飢餓に喘いでいないというのに。原因が何であれ死者がいることで、人口爆発が今のレベルで抑制されているいという面はある。自国のことは自国で処理するのが当たり前。人口爆発が起これば、食料争奪戦が避けられず、外国に食料を依存している国の民は飢えて死ぬ。また、年収が100万円を超える人の数は世界人口の1割で、生活に幸福感を覚えるのは年収が100万円から300万円くらいまでの人という)。

 8.ロシアでは夫や恋人に殺される女性が年に12000人。アメリカでは2000年にドメスティック・バイオレンスで殺された女性は1238人。ロシアにはまず貧困がある。生活苦や住宅不足、女性を保護するシェルターがない。もう一つは固定観念、「男がなぐるのは愛の証」という信じられない諺。嫁にもらうとき、男は女の父親に金を払う風習があり、娘が殴られても何も言えない。(だから、西欧や中国、日本に売春に出る? ロシア人がウォッカを呑み過ぎるからというのもあるのでは?)

 9.美容整形:

 2006年、なんらかの整形を受けたアメリカ人は1620万人。形成手術の発達を促したのは第一次大戦がきっかけで、傷ついた兵士の傷跡を目立たなくするためだった。(現在、アメリカに次いで、プチ整形を含め多いのはたぶん韓国女性か、日本女性であろう)。

10.地雷:

 カンボジアは国民の236人に1人は手か脚がない。そして、その倍以上が死んでいる。地雷は今でも世界中の土のなかに1億個以上が埋まっている。2003年に地雷で死傷した人は8767人(報告されなかった被害者を入れると、2万人以上)。地雷1個の製作コストは400円だが、それを撤去するコストは50倍。

 1999年に「対人地雷全面禁止条約」が結ばれたが、152か国が参加。参加していないのはアメリカ、ロシア、中国。(なにかというと、この三国、自らが地雷の供給国。人類という動物の悪辣さ)。

11.子共の就労者:

 インドでは4400万人の子供が働いている。(路上生活者がわんさといるのだから、不思議な現象ではない。もともとイギリスが植民地にした国ではないか。イギリスがなんとかしてやればいい)。

12.ハムサンドには添加物が13種類もあり、香料は一切内容を明示しない。(日本だって、スーパーで売られている米にも、どこ産の何という米がどのくらいの割合で混ぜられているかの表示が未だにないし、餃子や春巻きやコロッケなどに使われている肉がどこ産の肉かも表示がない)。

13.摂食障害(過剰摂食して吐く人、拒食症、過食症)。アメリカでは700万人の女性と100万人の男性が摂食障害。(人口の4%にあたる)。

14.ドラッグ:

 イギリスでは15歳の約半数が体験者。また、4人に1人は喫煙者。(アメリカで体験した日本人も数知れない)。

15.ロビイストの存在はアメリカでは常識。議員1人に125人のロビイストがいる。2000年にロビイストに支払われた金は15億5000万ドル(1800億円)。場合によっては、国民のためではなく、多額の政治資金を届けたエネルギー会社のために有利な法律が決まることもある。

16.自動車事故:

 世界初の事故は1896年、ロンドンのハイドパークで44歳の女性が時速6キロのデモ走行していた車に跳ねられ死亡。以後、これまでに、2500万人の命が失われた。現在でも、15-44歳までの男性の死因はエイズに次いで自動車事故が第二位。最近では、先進国より発展途上国での事故が急増している。(アメリカでの事故は老人ドライバーのハートアタックが多い。日本では飲酒運転による事故とあわせ、老人運転手によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が多発している)。

17.中絶:

 1977年以降、北米の中絶病院では8万件近い暴力事件や騒ぎが起こっている。なかには牧師が中絶医を殺したケースもある。(宗教倫理観とは面倒なもの。西欧では、神などはいないという説が横行しているというのに)。

18.宗教:

 Mのマークをマクドナルドと知っている人は世界の88%、一方キリスト教の十字架を知っているのはたったの54%。ヨーロッパでは宗教離れの傾向が強い。アメリカでは神を信じている人が92%、イギリスでは60%、フランスでは13人に1人しか教会に行かない。「宗教を信ずる人は心理的に未熟だ」という言い切る人もいる。キリスト教徒の60%以上はいまや欧米以外の発展途上国。(神が存在したら、人類はもっとましな関係を互いに維持し、殺し合いはやらないだろう。尤も、神が存在しようと不在であろうが、信ずることで癒しを、慰めを得られるのなら、それは当人の勝手というものだ)。

19.賄賂:

 ケニアは世界一の賄賂の国で、ために経済成長は低迷、貧困が蔓延。新大統領は賄賂をあてにしてきた議員、公務員、警察官と闘っている。(賄賂はアフリカ全土に共通しているし、中国、インドネシアをはじめ、アジアの大半の国も同じ。賄賂は大なり小なり、どの国でも横行している)。

20.違法ドラッグの市場規模と製薬規模とはほぼ拮抗していて、4000億ドル市場。7000年前に、アジアのシュメール人が阿片を吸っていた。1875年に違法になったのは中国人移民が阿片をアメリカに持ちこんだのがきっかけ。(それを植民地だったインドで生産させ、中国に持ち込んだそもそもの国はイギリス、しかもそれを理由に二度も戦争をしかけ、香港を委任統治した横暴の数々)。厳しく取り締まると、入手しにくくなる分、麻薬の価格が上昇する。

 オランダではコーヒーショップで軽いマリファナを売れるように法的手法を変えたが、16%の人しか買わなかった。

21.アメリカ人の3人に1人はエイリアンの存在を信じている。(神を信ずる気分に似たものではないか。存在して欲しいという願望に過ぎない。言葉を換えれば、精神が幼児に近い)。

22.拷問を禁止する国際条約に2006年141か国が参加したが、なくならない。軍隊、警察など、世界で行なわれている。(とくに、アメリカのアフガニスタン、イラクへの介入以後、拷問はエスカレートしている)。

23.アメリカの刑務所:

 2002年、米国の服役者は200万人に達し、ロシアを抜いて世界一となった。白人の男子は17人に1人の確率、ヒスパニックは6人に1人、黒人は3人に1人。刑務所送りの大きな原因の一つは麻薬に絡む犯罪。麻薬取締り捜査に連邦政府が力を入れるのはいいが、人種差別の臭いがする。

24.戦時下の国:

 世界で3人に1人は戦時下に暮らしている。イラク、パレスチナ、イスラエルをはじめ、2005年のデータによると、27か国で武力紛争が起きている。その地域に23億3000万人が居住。スーダン、コンゴなどアフリカが多い。

 近年の紛争原因の4分の1が地下資源がらみ。2025年には世界の3人に1人は水が飲めない状態になる。すでに中東のヨルダン川、アフリカのナイル川、インドのガンジス河の流域では水をめぐる緊張が高まっている。

(中国の揚子江や黄河の水は産業廃棄物で溢れているのでは? そして、中国の化学工場が出す二酸化炭素は中国本土は当然ながら、いずれ偏西風に乗って朝鮮半島へ、日本へと流れてくる。中国人が海や川に放り出す産業廃棄物を含め、ゴミ処理のシステムが確立していないため、それらが日本近海に大量に流れ着いている。越前クラゲはその影響であろう)。

25.HIV感染者:

 アフリカに約2500万人。世界中で一日に1万2000人が、7秒に1人の割合で感染が広がっている。世界全部で3950万人、2050年までに2億8000万人が死ぬと予測されている。最も深刻なのはアフリカのサハラ以南。

 1981年アメリカで初めてエイズ患者が確認されたとき、それはゲイの男だった。アフリカではチンパンジーのもっていたウィルスが原因で、それが20世紀に入って人間に感染、異性間に感染が広がりはじめた。中国では河南省で売血が原因で100万人が感染。

26.言語の消滅:

 世界では毎年10の言語が失われている。現在、世界で使われている言語は約6千、その半分は消滅しつつある。オーストラリアのアボリジニ語は400種類あったが政府が禁止したため今では25種類に減っている。(ユダヤ人は世界中に散り散りになりながら、イギリスその他の国のバックアップを得てイスラエルに建国するなり古語であるヘブライ語を公用語として復活させたのは奇蹟的)。

(オーストラリアはもともとイギリスが植民地にし、タスマニア島に居住していた民族は100%イギリス人が殺してしまったし、ニュージーランド、オーストラリアに居住していたアボリジニ人を大量に殺戮したのも史実。言語が失われるのはその言語を使う人間が不在となるからだ。この作者は本当にイギリス人なのか?)

27.自殺者:

 2000年に世界で約100万人が自殺。未遂者は1000万人から2000万人。武力紛争による死者よりも多い。(自殺者、HIV感染者、栄養失調死、地雷死、戦死者がこれだけいても、世界の人口は増え続けている)。

28.銃社会:

 アメリカでの乱射事件は後を絶たない。(同じ銃社会のカナダでは同じ問題は起こっていないのに。尤も、日本社会にも隠れて銃を持つ人間は少なくない)。

29.良心の囚人:

 思想、宗教などによる発言で刑務所に入れられている人が世界に30万人はいる。ミャンマーのスー・チーもその一人。国際規約に「どんなメディアを通じてどんな意見表明をしても自由を奪われない」との一項があるが、守られていない。(ロシアのプーチンは批判者をロンドンまで追いかけさせて毒殺した)。

30.性器切除、性器縫合:

 年に200万人の女性が被害者、主にアフリカだが、アジア、中東の一部にもある。(本ブログの2004年12月8日に「ドキュメント女子割礼」という著作を書評している)

31.子共の兵士:

 世界に30万人いる。33か国で子共を兵士として使い、スリランカでは女の子まで自爆用兵士として使っている。

32.イギリスでは総選挙の投票者数よりも、テレビ番組でアイドル選びに投票した人のほうが多い。(他の先進国で同じことをやっても同じ結果が出るだろう。政治への、そして政治家への不信が根にあるからだ)。

33.ポルノ産業:

 アメリカでは年間100億ドルの産業(1兆1600億円)。ハリウッド映画よりアダルト映画のほうが製作数は断然多い。(ハリウッド映画も荒唐無稽で、質が落ちている)。

34.アメリカの防衛費は約5181億ドル(130兆円)。ならず者国家の総計防衛費が36億ドル。名指しされた国はキューバ、イラン、イラク、リビア、北朝鮮、スーダン、シリア。(現時点で、うち2か国は名指しから外されている)

35.奴隷は昔より現代のほうが多く、2700万人。原因は親の借金から始まり、子が受け継ぐという形。人の売買価格は1人あたりたったの1万円。(買う価格より、食わせるのに金がかかる)。

36.プラスチックボトル:

 アメリカ人が棄てる数は1時間に250万本。燃やせばダイオキシンが発生し、発癌物質も出る。埋めれば汚染源となる。リサイクル率を上げる以外に問題解決の道はない。日本も割り箸を棄てる習慣をやめられずにいるが、最近では中国が毎年450億組の箸を棄てているという。

(トイレで紙を使うのも世界の10%に過ぎず、あとは川の水、水道、砂、葉、藁(わら)などが一般。プラスチックボトルは2009年に入って、サトウキビを部分的に利用することで、誰もが手を使ってぺちゃんこにすることができ、同時に、二酸化炭素を激減させることに日本企業が成功している)。

37.監視カメラ:イギリスは300万台、有線テレビが街を監視している。

(自国がかつて中近東を蹂躙し、フランスと相談して国境を直線的につくった歴史がある。もし、アラビアに石油が出ることを予知できていたら、イギリスはアラビアを独立させなかったのではないか。中東からの移民を受け容れざるを得ないのは自業自得というもの。ついでに言うが、マレーシアとインドネシア、マレー半島、ヴェトナム、などの国境を区分けしたのもイギリスとフランス)。

38.先進国向けの女性人身売買は年に12万人。発展途上国、なかでもロシア連邦の東欧の女性が多く西欧社会に送りこまれ、次いでアフリカ、アジア、南米から。年間に70億ドル(8120億円)の金が動く。

39.食料品の輸入は運ばれてくる経路によって運送のための石油消費に直結し、環境破壊に繋がる。各国がそれぞれ自給自足体制を整えれば、輸送にかかる石油の利用も激減する。

40.国連への未払い金のある国は、アメリカ、日本、ブラジル、アルゼンチン。(日本が含まれてるとは初耳)。

41.イギリスは世界で4番目に裕福な国だが、貧しい子共の割合は世界一。400万人近い子共が極貧の生活をしている。

(格差社会の末路なのか? 福祉国家の名はどこにいった? たぶん、底辺には元植民地からの移民が多いだろう)。

 以上、気になった箇所を抜き書きしたが、歴史上、最も人殺しをしてきたのはイギリス人であることを忘れてもらっては困る。白人以外の人種を人間として扱ったこともないくせに、今になって、こういうことを知って、「世界はなんて残酷なんだろう、なぜ衝撃的なことが起こるのだろう」と言う作者に私は驚愕を隠せない。

 大英帝国がかつて何をやったか、自分の国の歴史を勉強して欲しい。


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