世界中の言語を楽しく学ぶ/井上孝夫著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「世界中の言語を楽しく学ぶ」  井上孝夫(1954年生/出版社勤務)

 2004年5月10日 新潮社新書初版  ¥680

 外国語を駆使することで生計を得ていたこともあり、タイトルに抗い難い魅力を感じて入手したが、冷静になって考えてみれば、一般人にとっ所詮は無理な望みというもの。

 著者はロシア語を勉強していたとき、「切れば血の出るような美しい文章」に出遭い、そこから多くの言語への飽くなき探求が始まったらしい。

 何語で書かれていようと、翻訳されたものであろうと、「隔靴掻痒(かっかそうよう)」も「ぞくぞくするような」文章というものは存在するし、それぞれの国が環境から影響を受けた独特の「震えるような言語」を持ってもいる。

 また、作者のように多くの言語を覚えたところで、使わなければ忘れる。使うために覚えるとしたら、ただの無駄だ。僅かな外国語をしっかり学んで、それらを駆使することができるなら、それだけで充分だと私は思う。

 どだい、一人の人間ががむしゃらに本を読んだところで、一生に読める量などたかが知れている。それを多くの言語で実現すること自体、不可能というものだ。

 私が思うのは、外国の田舎に住んで、草の上に寝ころがり、隣の現地の男と空を語り天候を語り家族を語れたら、それ以上に幸せなことはない。同じことを言語の異なるあちこちでやりたいとは到底思わない。

 すばらしい本ではあるが、ほとんどの人はついていけないだろう。内容は本として上梓するより、個人的な趣味のレベルにおいておくべでだった。

 


前後の記事

2 Responses to “世界中の言語を楽しく学ぶ/井上孝夫著”

  1. ハンディばりばりのプレデターです。
    英語、ドイツ語、中国語など、おもしろいですね。

  2. T.K より:

    復帰おめでとう!
    from your son

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ