人間の絆/サマセット・モーム著

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ningennokizuna

「人間の絆」 上下巻
サマセット・モーム(1874-1965)著
原題: Of Human Bondage
中野好夫訳
イギリスにおける初版1915年
新潮文庫  2007年4月初版

 

 上下巻ともに600ページを越す厚さがある。この作者の代表作が「月と六ペンス」であることは知っているが、作品に接したことがなく、とりあえずといった気持ちで本書を入手した。

 当然とはいえ、20世紀初頭が舞台となった自伝的な小説、イギリスをはじめ本書に出てくる各国の社会背景も現在とはまるで違うものだったはずで、だからこそ、本書のように長編で退屈な本もそれなりに読者を獲得したのであろう。

 「尊敬すべき職業は軍人、牧師、法律家であって、教師ですら下賎な職業とされた」「黄色い皮膚で、平べったい鼻と、豚のような目をした中国人」などの言葉のほか、キリスト教国に住むことの堅苦しさが語られていることからも、社会の様子が窺い知れる。

 現代人として読んでみると、内容は展開がのんびりしすぎているだけでなく、読み手の心を揺さぶる起伏もめりはりもなく、退屈きわまりない書物としか私には思えない。

 私は上巻の330ページまで我慢に我慢を重ねて読んではみたが、結局ギブアップした。読みはじめる都度、眠気が襲ってきて眠り薬のようになってしまったからだ。


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