僕は妹に恋をする/橋口いくよ著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「僕は妹に恋をする」 橋口いくよ(1974年生)著
小学館文庫 2007年1月文庫化初版

 

 本書は男と女に分かれて生まれた双生児同士の恋の物語。

 「コミックとして世に出たものを映画化するために、新たに書き下ろされたオリジナル小説」との断り書きがあるように、内容はアニメのように透明で、少年と少女の関係はいたいけで、ストーリーの展開はあまりに幼い。

 このような学園を舞台にしては、「いじめの世界」は想像を超えるものだが、賞賛するとすれば、その透明度と拙い語彙だけで展開するストーリーに「童話」を、いやむしろ「詩」を感ずるところだ。40分あれば、読みきれるという小説は近頃珍しいのか、流行なのか、そのあたりは私には判断できない。

 ただ、これが英訳されて、同世代の西欧人にどう捉えられ、評価されるか、難しい。

 判ることは、明治期の作家が読んだら、唖然、呆然といったところだろう。


前後の記事

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ