八州廻り 桑山十兵衛/佐藤雅美著

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hassyuumeguri
「八州廻り 桑山十兵衛」 佐藤雅美著  文春文庫

 
 話のテンポが快調。

 エピソードが平凡で単調でないのがとてもいい。会話が生き生きしていて、といって下品でなく、耳に心地よい。

 むかしの関東の地名がわかるだけでなく、利根川のような河川が生活の中心的存在だったことも理解できる。旅をするにも河川は無視できない。往還の道路も河川を中心に伸びている。

 余談だが、川が生活を支えるという意味では、現今でも、インドネシアなどでは、川で子供が釣りをするそばで、おばさんが食器を洗い、衣服を洗濯し、服をめくってしゃがみこみ大小便をする姿が見られる。水道もトイレの水も自然災害があれば必ずストップする。むかしの生活に戻れないわれわれは、ときにそうした過酷に堪えねばならない。

 この作者の本を読んだのははじめてだが、作品は魅力的。この本もラスベガスの友人がもっていたもの、ベガスに滞在中に日本の時代劇を読むことには、ちょっとしたスリルと面映さがあった。


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