共喰い/田中慎弥著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「共喰い」  田中慎弥(1972年山口県出身)著
2012年1月17日 集英社より単行本初版 ¥1,000+税

 

 芥川賞を「もらってやる」と、授賞式後の記者会見で口を捻じ曲げて言ったけれども、そんな大言壮語が吐けるほど充実した内容の作品ではない。

 本書には「第三紀層の魚」というタイトルの作品も含まれているが、読む気にはとてもなれずにいる。

 今回はTVの影響もあり、この作品は出版社の思惑以上に売れるだろうが、次の出版からは間違いなく売れなくなるだろう。

 こういう言い方は失礼かも知れないが、長期にわたってニート生活をし、人との交流を拒み、仕事というものをしたことがなく、家族に甘えてきただけの人に、人間関係が解るのだろうか、人間という生物が解るのだろうか?

 とにかく、感動からは遠い本だった。


前後の記事

6 Responses to “共喰い/田中慎弥著”

  1. withyuko より:

    hustlerさん、「共喰い」の書評をありがとうございます。もうちょっとで、買って読むところでした。
    テレビの影響力ってすごいですよね。文学賞に興味ない私でも、あんなふうな会見をテレビで見てしまうとひょっとして作品も面白いのでは?と興味が湧きました。が、あんまり・・・な本なのですね。(苦笑)教えていただいてありがとうございます。
    著者のかたは失礼ながら39歳にしてはとても老けて見えますね。あのかたの作品はきっと読んで元気が出るような(私が好きそうな)ものではないだろうなというのは予想できました。

  2. hustler より:

    正直にいいますと、本書への書評は書き換えました。昨日書いた書評だと少し厳しすぎるかなという反省があり、今日、上記のように簡単に、というより「どうでもいいような」感じに換えてしまいました。おっしゃる通り、Yukoさんが喜ぶタイプの本ではありません。

  3. 新田 より:

    今日「豊臣秀吉の朝鮮侵略」の項でコメントをさせて頂きました。
    彼の横柄な態度は不愉快で”売らんがな”の下心があってのポーズだったのではと思ってしまいます。
    あのような壇上に上がったなら、人としてマナーは守るべきです。
    文藝春秋を読んだ姉は「何あれ?」の一言。
    貴方の批評は小気味良かったです。
    書店で本を手に取って選べない海外に住んでいますから、このサイトに巡り合え嬉しく思います。

  4. hustler より:

    アクセスありがとうございます。
    私のブログは実際のところは備忘録的なものが多く、必ずしも書評の体裁をなしていない内容のものが少なからずありますが、お役に立てていただけたら幸いです。

  5. 新田 より:

    一番好きな男性作家では吉村昭氏ですから、好みは同じだと確信します。
    つい最近「史実を歩く」を読み、感動をしたばかりでう。
    奥様の作品も好きです。
    先日、インターネットのラジオで津村氏が夫の徹底した下調べに対する熱意の話を聴きながら感動をしました。
    どうしてこのような方が芥川賞をいただけないのですか?

  6. hustler より:

    吉村氏の作品の大半はドキュメンタリータッチの作品で、それが芥川賞と縁のなかった理由かも知れませんが、ドキュメンタリータッチだからこそ、内容に迫力も真実味もあり、面白いのではないかと思っています。
     文学界でいう「賞」というものも所詮は作家や文芸に関係している人間が選んで決めているわけで、私個人は読書する上で、そのことを重視していません。
     今後も、「共喰い」のような作品が選ばれることが続くのではないでしょうか。

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ