動物の「食」に学ぶ/西田利貞著

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「動物の食に学ぶ」 西田利貞著
女子栄養大学出版部

 

 人間とは誕生してから死ぬまで「食っては糞をし続ける動物」、口から肛門まで一種のホースで繋がった動物であることがよーく理解できる著作。

 そして、「地球上で最も重要な現象は光合成」であり、「生物の自然淘汰と進化」であること、さらには「人間は水の味をまずくさせる動物」であることもよーくわかった。

 もっと挙げれば、

1.動物はより魅力を感ずるもの、現実には存在し得ないものに夢中になる。鳥の巣に鳥みずからが産んだ卵のほかに模型のより大きな卵を置いておくと、鳥は模型を温めはじめる。漫画に目玉の超でかい少女が描かれたりするのも、この動物としての人間の「キュート・レスポンス」を作者が知ればこそで、これを「超正常刺激」という。

2.人類の(まだ猿だった時代を含め)長い歴史のなかで、食物が常に豊かに入手できたことはなかったから、食べすぎることへの自制心が生まれる必要はなかった。それが現代の過食、肥満を生み、糖尿病などという贅沢病を生んだ。

3.「味盲」は人間なら男に、動物ならオスに多い。

4.甘くて美味な果実をそれと感ずるのは脳だが、すべての動物がそういう脳をもっているわけではない。

5.日本人をふくめ東南アジア人には「渋味」を感ずる舌があるが、西欧人には葡萄酒にタンニンが含まれているのに「渋味」を感ずる舌がない。だから、西欧人には「苦い」「甘い」「辛い」「酸っぱい」の四つの味しかわからず、英語でいう 「ASTRINGENT」にはわれわれのいう「渋い」という意味はない。味雷に関しては、コーカソイドはモンゴロイドに敵し得ない。(辛うじて、フランス人が味雷に関しては上等)。

5.コカインもニコチンも葉を食べられないように、昆虫を殺す殺虫剤として基本的に機能している。

6.われわれの祖先は昆虫を主食としていた。(現在でも、中国をはじめ、東南アジア一帯で、蝉、イナゴ、バッタ、蜂の子などが食用にされている。 (北朝鮮では、ネズミ、蛇、蛙、犬、兎などはご馳走の部類に入る。日本でも、戦中、戦後は、イナゴを食べることでカルシゥムを補完した)。

 地球上の環境破壊はすべて人間が原因、人間が減ることこそが環境に優しいことになる。ということは、地球上から人類が絶えること、それこそが環境の保全に最も寄与するという結論になる。地球に優しくしたかったら、人類を滅亡させるのが最も手っ取り早い手法。

 人口とは不思議な現象面をもつ。増えて欲しい国は増えず、減って欲しい国は減らない。


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