北の国の花の島/久保田昭三著

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「北の国の花の島」  久保田昭三(1929年生)著
2010年2月22日 鳥影社より単行本初版 ¥1400+税

 

 本書はその帯広告に、「出会いと、友情と、別れと、そこに暮らす人たちとの45年にもわたる交流記」とあるように、81歳になる著者と北の国、ノルウェーの人々との長年の交友関係をありのままに書いたもので、正直いって、本書の出来栄えに関する評価は、色々に分かれるであろう。

 作者が小学校の生徒18人に鶴の折り紙をつくって贈ると、予想した以上に喜ばれ、何度訪れても、子供たちは作者の製作する折り紙が秀逸であることを忘れない。

 「夕焼け、小焼け」はノルウェー語に翻訳され、学校歌集に入っているという。

 花の島を訪れるときは、毎度オスロまで飛行機で飛び、そこから列車に乗り移るようだが、45年間の北の国の人々との交流を構えることなく、淡々と綴っていることに、むしろ圧倒される。45年もの歳月をかければ、同じ歳頃の友人らは歳をとり、その子供らは子供だったのが結婚し、子供ができ、孫たちとのつきあいも継続するうち、彼ら彼女らも結婚して一児、二児の親になっている。3代から4代にかかる交流、しかも外国人との交流というものは、そうそうあるものではない。

 本書によって知ったことは、世界一平和な国はニュージーランド、二番目はデンマーク、三番目がノルウェーだということ。このことからも、これら三国に福祉がいきわたっていることが想像できる。

 残念なのは、ノルウェーの人が日本を訪問する場面がないことで、そのうえ、作者は北の国の花の島を訪れながら、その都度、代わり映えのしない話を繰り返すことが多く、それが読者によっては退屈に感じられるかも知れない。

 とはいえ、こうした外国人との交流のある日本人は滅多にいるものではなく、それは外国語を駆使することによるコミュニケーションが可能か否かにかかっているわけで、語学に弱い日本人一般の欠点ともなっている。

 最近、たまたま、ソフト・バンクが、UNIQLOが、日産が、社内会議を英語にするために、TOEFLやTOEICなどによる英語力の検定試験を受ける義務を社員に課すとの話に報道で接したが、遅すぎた指針という印象。


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