北風の吹く夜には/ダニエル・グラッタウアー著

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北風の吹く夜には」 ダニエル・グラッタウアー(独)著  三修社

このところ柄にもなく小説を読んでいる。

「ついでに」との思いからではなく、本書の帯広告に「欧州で100万人が泣いた話題の恋愛小説」とあったことに心惹かれた。

ドイツに滞在した経験をもつ知己、友人をはじめ、仕事や書籍を通じて私なりに理解しているドイツ人の気質とどう違うか、違わないのかに関心をもった。

著者のダニエルは1960年ウイーン生まれ。訳者は若松宣子。

1通の間違いメイルから始まった二人の関係は最後までメイルの交換だけに終始するという徹底ぶりはいかにもドイツ人らしいが、その代わりに二人の間を飛び交うメイルの量のすさまじさ、また、メイルの内容からだけ相手の様子や性格を図ろうという魂胆があったにせよ、あるいは結果論にせよ。そのあたりの文章は日本人同士のメイルにはあり得ないほどの、よくいえば「濃さ」、悪くいえば「しつこさ」に充ちている、私が想像していたよりはるかにナイーブではあったが。

いうまでもないことだが、同じドイツ人でもそれぞれ個性があり、ヨーロッパ全域となると、国民性はさらに千差万別、ひとくくりにはできない。結論として、この一書をもって「ドイツ人」を語ることは遠慮しておいたほうが賢いと思う。

知る限り、ドイツ人のほうが日本人に比べ、はるかに肉体的な欲望は強いし、既婚の女性が既婚のまま外部にそういう関係の男をもつ例はすくなくないと仄聞している。

宣伝文に逆らわず、ドイツ人と一緒に泣いてみたい方には一読をお勧めする。


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