古地図に魅せられた男/マイルズ・ハーベイ著

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書評:ためいき色のブックレビュー-古地図


「古地図に魅せられた男」

マイルズ・ハーベイ著(アメリカ人)
  島田三蔵訳 文春文庫
 古地図には骨董的な価値と魅力がある。
 このドキュメントはそれに魅せられた男がアメリカの図書館をまわり、古い文献から古地図を切り取ってしまう犯罪を描いたもの。古地図の売買の世界、コロンブスがアメリカを発見するまえから、アメリカを描いた古地図が存在し、それが大陸発見への意欲に結果したという話もおもしろい。

 骨董的な価値の高い古地図を図書館員の目を避けながら剃刀で切っていく犯罪者の心理が想像に訴え、スリリングであると同時に、なんとなく味方になっている自分に気づく。

 骨董への興味の有無とは関係なく、本書の描く世界は読者を唸らせる。

 ドキュメントにはやはりドキュメントとしての迫力が埋まっている。


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