否定弁証法/テオドール・W・アドルノ著

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書評:ためいき色のブックレビュー-否定

  「否定弁証法」  テオドール・W・アドルノ

  作品社 単行本 1996年6月初版 ¥6,800

  訳者:6人

 本書の訳者が「あとがき」で書いているが、翻訳に何人もの専門家が入れ替わり、最終的に6人がかりで当たって完成したが、それまでかなりの時間をとられたという難物。

 しかも、全530ページの分厚さ、一ページに20行、一行に50文字というから、一ページの文字数が1,000字に達し、これに530を掛ければ、トータルで53,000,000(5千3百万)という文字数になる。

 安易な理解を拒むように、意図的に晦渋難解な哲学用語を駆使、しかもそうした姿勢が全編を貫いており、とても読めたシロモノではない。哲学書だから、私としてもある程度の難解さは覚悟の上で入手におよんだのだが、読書そのものを許容しないかに感ずる内容にあきれかえってしまった。

 このような文章が日本語にあり得るのかと思えるほどの内容で、数十ページ読み進んではみたが、はっきりいって理解を超え、内容はチンプンカンプン。それでも、訳者の言によれば、「ドイツ語に忠実に訳すと、全く訳の判らない文章になってしまうため、日本語訳においては、それなりの配慮をしつつ言葉を選択した」という。

 直観的に、作者の人間性そのものが矜持と顕示欲のカタマリなのではないかと思っただけで、本書から離れることとした。

 書評にならぬ書評になったが、もし本書を読む方がいて、理解できたら、ぜひ内容を噛み砕いて教えていただきたい。


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