女子大生がヤバイ!/小沢章友著

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女子大生がヤバイ! (新潮新書)

小沢章友(1949年生/作家)著
2009年5月20日 新潮新書初版 ¥680+税

女子大で小説の創作を教えて15年という著者が授業ごとにテーマを与え、彼女たちに作文させた経験から、「現代女子大生の表現力は飛躍的にうまくなっている」という。

「理由は一にかかって携帯によるメール作成。一日中、彼女たちは時を選ばず、メールの受信と発信に集中している。この集中力が表現力を向上させた」らしい。

「今時女子大生の作文に特徴的なのは道徳や倫理に関してかつてタブー視されていたものへの配慮などというものがなくなって、バイオレンスであれ、セックスであれ、踏み込んだ表現にためらいがない」

その類の作文も本書に載っている。

以下、面白いと思った箇所を拾い書きしてみる:(  )内は私見。

*「女子大生にとって居心地の良い場所はトイレ」(らしいが、もしトイレが4・5畳もあったら落ち着けないだろう。

彼女らも平均的日本人と同じく、トイレは狭くて居心地が良く、だだっぴろくては排泄不能に陥るだろう)。

*若者たちの会話は「ヤバイ」で埋め尽くされている。「ヤバイ」には他の流行語にはない汎用性がある。失敗や悪いものにも、危ないものにも、すてきなものにも、美味なものにも使われる。

バブルがはじけたあたりに、この言葉が生まれた。以後、核問題が危険信号となり、地球温暖化が叫ばれ、高齢化社会、少子化問題と続くなかで、「ヤバイ」は使いでのある言葉に成長した。

(その後に東北大震災があり、原発事故もあり、確かに、ヤバイ時代がなお続いている)

*女子大生のうち、父親を大好き、かなり好き、わりと好きと答えた人が50%、大嫌い、かなり嫌いが30%、とくになんとも思わないが20%。

*100人のうち30人の女子大生が最も大切なのは友人と答えた。そして、その半分以上が「自分は親友をもっている」と。彼女たちのいう「親友」とは偽装ではないかという気がする。

*女子大生が好む男。ダメ男でもいいが、だらしなく、汚く、身の回りのことが一切できないという類はダメ。引っ込み思案ながら一生懸命やってもドジるというような、ひたむきさのある男は悪くない。ただ、なよなよして、やたら気を使う軟弱タイプは受け容れ難い。

*男にイケメン、金持ち、おしゃれを期待する女子大生はほんの一部、大半は安心、誠実、信頼を評価し期待する。求めているのはトキメキよりも安らぎ。

*携帯こそ彼女たちの命。

携帯は彼女たちにとって電話機、計算機、手帳、カメラ、テレビ、ウォークマン、インターネット、ゲーム機、電子辞書である。そして、携帯はその小さな器のなかにさらに機能を加え、さらに進化し、さらに便利になっていくだろう。彼女らの携帯への依存度は今後も一層深まる。

(この利器がいったん自然災害に見舞われると、ライフラインとしての役目を発揮できないという弱点も併せもっている)

*テーマを発表すると、「どーしょー」、「超わかんない」、「超むかつく」と、かまびすしい。しかし、数分も経つと、騒々しさが嘘のように消え、それぞれがテーマを選んで書き始める。

著者は「女子大生らの『生の声』、『心のかたち』を世に伝えたい一心で、本書を世に出した」という。

面白く、退屈しない本だった。


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2 Responses to “女子大生がヤバイ!/小沢章友著”

  1. cornervalley より:

    私も語彙が豊富とは言い難いのですが、新入社員と接していると、どうなの?と思うような言葉づかいが目につくようになった。
    イメージだけでなく「言葉」をつなげ「思考」することで「記憶」になると何かの本で読みました。
    それが本当だとすると、かなり心配です。

  2. hustler より:

    身の周りの20歳前後の人たちの会話を聞いていると、ボキャボラリーの貧困を感じることは事実ですね。
    語彙が不足すると、外国人との議論に負けますね。

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