新撰組読本/日本ペンクラブ編

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「新撰組読本」
日本ペンクラブ編(司馬遼太郎以下11名)
光文社文庫

 
 新撰組に関する書籍は少なくなく、どの本が真実を書いているのか判断するのはむずかしい。この分厚い本は「読ませる」という点で他を圧している。書き手が名のある著作家11人、内容的に充実していて、読みごたえがある。
 
 「新撰組が勝者だったら、作家の書きたい意欲を刺激しない。歴史から消えていく敗者だったからこそ多くの作家が書きたくなる」という言葉には納得がいった。
 
 16世紀にはすでに鉄砲が伝えられ、織田信長も羽柴秀吉もそれを戦に使った。19世紀になった江戸幕末の時代に、なお刀槍で戦をし、殺した相手の首をちょん切り、兜首として運ぼうとした新撰組の隊士や会津の兵士もいたらしい。

 そういうアホらしいところを含め、滑稽ではあっても、新撰組はやはり棄て難い。また、将軍家にとってこういう無頼漢を警護に使う以外に選択の余地のなかった実態そのものが政権の委譲を含め、世の中から消える末期にあったといえるだろう。

 いずれの隊士も、わずかな例外を除いて、非業の死を遂げた歴史はなるようになったというしかない。


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