木に学ぶ/早川謙之輔著

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「木に学ぶ」  早川謙之輔(1938-2005/木工の専門家)著
帯広告:木の文化は今も生きている。その深い智恵、その恐るべき技術
新潮社 新書版

 

 正直いって、専門的なことはよく理解できないが、檜(ひのき)とサワラは中国と朝鮮半島には自生しないらしい。松竹梅は三種ともに中国からの輸入だったが、日本人の好みに合致したと言える。つまり、松竹梅のいずれも元々日本にはなかった種であるとの認識。

 作者は岐阜県の海抜465メートルの地にいるが、航空写真では映る最高峰の御嶽山(3067M)が見えず、周辺に聳える乗鞍、穂高、白山、白馬、妙高が霞んでいる。

 かつて折れやすく火力があるという理由で広葉樹が広く薪に使われたが、広葉樹が不要になれば檜(ひのき)が植樹されるようになった。檜には木曽檜のほかに、尾州檜と東濃檜がある。また、木曽檜には樹齢3百年を超える木もある。木曽山脈の南端、恵那山の北裾に大木があった。推定樹齢は1千4百年、幹廻り7.2メートル、高さ24.6M。

 古代に使われた材は、第一に針葉樹系で檜とカヤ、桂、楠(くすのき)、続いて桜、楓(かえで)、さらに欅(けやき)。

 非常に硬い木: 樫(かし)
 硬い木: 欅(けやき)
 やや硬い木: 栗(くり)
 やや柔らかい木: 檜(ひのき)
 柔らかい木: 杉(すぎ)
 とても柔らかい木: 桐(きり)

 伊勢神宮、姫路城、法隆寺などの建立に使われた材の話も出てくるので、関心のある方には学ぶこともできよう。

 最後に作者の「あとがき」を以下に記す。

 「なにかで心が乱れると、木を見る。木はじっとしていて、動かない。そんな風に日々を送っているように見える。しかし、気がつくと、大きくなっている。いつの間にか小さな合歓(ねむ)の木が雨傘のように大きく枝を広げていたりする。とはいえ、木も油断すれば枯れて死ぬ。ゆったりとした生き方をしているように見えるが、実は一途に生きている」


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