殺人の債権/森村誠一著

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書評:ためいき色のブックレビュー-殺人

  「殺人の債権」 森村誠一(1933年生)

  1992年中央公論社より単行本初版

  副題:牛尾刑事事件簿

  帯広告:偶然の出会いが呼び起こす殺人連鎖

  2010年1月25日 有楽出版社より新書版サイズにて初版

  定価:¥857+税

 ミステリー、サスペンス、ホラーはこのところ意図的に避けて読書をしているが、「債権」という言葉に目が留まって、うっかり買ってしまった。

 ミステリーにしろ、小説にしろ、所詮は想像力、空想力を駆使して物語を展開していくものであることは知れたことだが、構成や内容が凝りすぎていたり、現実離れしすぎていると白けてしまうのが常のことで、ストーリーとしてよく出来ていることと、読み手の心を刺激し揺さぶることとは別の次元のことであることを再認識することとなった。

 本書はミステリーであり、ミステリーものの焦点はストーリーの終焉にあり、終焉部分をどうまとめるかが作家の腕ともいえるが、残念ながら、本書の終焉に現実味のある、記憶に残るような、納得感のある高まりに遭遇することはなかった。

 言葉を換えれば、作者が本書を著すことをエンジョイしたほどにはエンジョイできなかったといったら解ってもらえるだろうか。


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