深夜特急/沢木耕太郎著

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深夜特急

深夜特急」 全5巻
沢木耕太郎著 新潮社文庫 1994年3月初版

 
 作者がバックパックの旅から帰国したのが1986年の5月だとすれば、執筆まで10ヶ月がかかり、そのうえ、各書に振られたシリアル番号通りには書いていないことも明らかで、よけいなことかも知れないが、本書をまとめるのに、作者が苦労した跡が感じられる。

 むかし読んだ本だが、再読してみた。5冊におよぶ長編だが、いくら読んでも倦怠はなく、感動は変わらずにあり、全編を読了するのに時間もかからないくらい、ハラハラドキドキの連続だった。

 この本を読んだために仕事を投げうって、バックパッカーになり、世界各地を旅してまわったという若者がたくさん生まれた。そういう若者とバリ島で出遭い、バリが気に入ったので、この土地に数年間にわたって沈没、バリ人の世話(食生活、寝る場所などを含め)になり、その後まともに働きたいという意向を受けて面会、雇用した記憶がある。

 著者の作品にはそれほどの魅力と濃密な内容があったからだが、この著者の最高傑作だと、私は思っている。

 けれんみのない清々しさに溢れた男性的な文章の運びは、魅了的だ。タイトルの通り、一度読みだしたら、止まらない。 作者と旅を同行している気分にさせてくれる。

 だた、読むのなら、せめて二十代の若い頭脳のあるうちがいい。


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One Response to “深夜特急/沢木耕太郎著”

  1. あんちょび より:

    学生時代に沢木耕太郎のこの本と出会い、深夜特急へと飛び乗ったひとりです。
    旅をした年齢も同じなのですが、今こうして同じようにその旅を文章化しようとした時に、あらためてこの本の重みを感じています。

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