痴人の愛/谷崎潤一郎著

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「痴人の愛」 谷崎潤一郎著  新潮文庫刊

 

 高校時代、友人の一人が
「こんなけがわらしい本はない。書棚に入れておくだけで、自分が穢れるような気がする」
といって、私の目のまえで本を破って棄ててしまった。

 そのときのことを突然思い出したものの、内容はほとんど思い出せない。それでもういちど読んでみようと思い立った。

 内容はある男の「淫蕩女への執着と陶酔」を描いたものだった。後日になって知ったのは相手となる女は谷崎の妻の妹で、年齢は15、6歳、結局はこの女と再婚し、妻は同じ作家仲間の要求に応えて、与えてしまうという実際にあった話にベースしている。この事実については、別の書籍で紹介するつもり。

 現在の高校生が読んでも、たぶん、「けがらわしい」とか、「けがれる」などという感想は聞かれないだろう。所詮はオスとメスとの、たわいないイチャツキに過ぎないのだから。

 むかしの高校生は純だったなと、あらためて思った。


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