草の記憶/椎名誠著

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書評:ためいき色のブックレビュー-草

  「草の記憶」  椎名誠(1944年生)

  2007年3月 単行本初版

  2009年11月25日 集英社より文庫化初版

  帯広告:あの頃、昭和の少年団みんなきっぱり熱かった

 本書は著者の小学生時代の話を上記したように2007年(著者63歳時)に書いたもので、記憶の良さには驚かされた。むろん、小説だから創作された内容だとはいえ、当時のあれこれに関して一定の記憶が定かでなければ書けない内容のものである。

 この著者の作品はこれまでかなりの冊数を読んだが、、初めて読書の継続を途中でギブアップした。

 理由の一つは、解説者によれば物語が紡がれる場(作者は東京生まれだが)は千葉県内のどこかの沿岸だろうと憶測しているが、登場人物らの口にする言葉が一定の訛りや癖に統一されていず、東京でも千葉県でも使われない言葉も頻出し、そのことが非常に煩わしく感じられたこと。

 もう一つは、ストーリーの展開が舗装されていない石だらけの起伏の多い道を歩かされている印象で、読み手としてはしばしば蹴つまづいたり、転倒させられたりして、ペースが乱され、ついには疲労感がピークに達したことである。

 正直いって、あまりできのよい作品ではない。


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