訪問者・遠い国からきた二人/ロザリンド・カーヴェン著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「訪問者・遠い国からきた二人」
ロザリンド・カーヴェン(1954年生/イギリス人)著
訳者:若林千鶴
1996年12月 文溪堂より単行本初版
¥1400

 

 イギリスが梃(てこ)入れしているパプアニューギニアの一地域から二人の子供(少年と少女)の二人がロンドンに招かれる。

 それぞれの子供は別々の家庭に受け容れられ、ストーリーはそこから始まる。

 少年はイギリスの企業による伐採を推測し、「二人をロンドンまで高いお金を払って招いた理由」にこだわり、大人たちを相手に舌鋒鋭く詰め寄るという展開。

 著者が本書の読者として想定しているのは少年、少女と思われるが、世界中を植民地にしたイギリスがたかが太平洋の未開地の少年の発言におたおたする場面は痛快。(伐採は日本も例外ではないが)

 初めてロンドンを見た少女も、「道は固く、土地は乾き、背の高いビルばかりが建って、他の生物が生長する余地がない。森を見せてもらったが、『森』という名に値する規模ではない」と、先進国が自慢に思う自動車、電車、電話などには目がいかないばかりか話題にもならないという皮肉。

 このような内容の本を書けるところがイギリス人の大きさでありサイズなのだと納得させられもした。


前後の記事

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ