貧困大国アメリカ2/堤未果著

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「貧困大国アメリカ2」 堤未果著
岩波新書

 

 本書は数年前に書かれた同じタイトルの「1」に続く第二弾、帯広告には「オバマのもとで希望へと向かっているのか?」との、内容を示唆する言葉がある。

 本書を入手した最大の理由は作者が若い女性であったことに尽きる。この年齢の女性がアメリカ体験が長く、アメリカに居住していたという背景があったにしても、この人(写真ではとても幼く見える)がこういう内容のルポを真正面から書け、しかも岩波から上梓できたこと自体が、失礼かも知れないけれども、私には不思議だった。

 扱っているのは決して目新しいものではなく、アメリカが直面している教育問題、保険医療問題、財政赤字問題、カードによる消費習慣が導いた多くの個人の負債問題、医師不足&医療問題、民営化された刑務所がらみの労働問題などで、それらは日本にいても新聞、テレビによる報道や読書を通しほとんど既知のもの。

 にも拘わらず、作者をみくびっていた私には、文章力、構成力、思考力、問題を掘り下げる力に「なるほど」と唸らざるを得なかった。というより、「写真から受ける印象とのギャップに愕然とした」と言ったほうがより真実に近い感想かも知れない。

 本書からは、アメリカの実態を知るという以上に、日本のこれからに不安を感じさせられた。


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