銀天公社の偽月/椎名誠著

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「銀天公社の偽月」  椎名誠(1944年生)著
帯広告:シーナ的未来炸裂/椎名SF作品の最高到達点
2006年9月 新潮社より単行本初版
2009年11月1日 新潮社より文庫化初版

 懼れていた通り、本作品に関する感想は「くだらない」の一言で、ついていくことはできなかった。私の許容範囲を超えた、あまりに荒唐無稽な内容に「もう、勘弁して」と胸底から悲鳴があがった。

 この作者の作品で私の胸に響くのは、シベリアやインドや南米の先端などに旅したときのドキュメンタリーではあっても、SF作品でないことがはっきりした。

 「マヒマヒのように口からピエッと唾を吐いた」などという表現は理解の埒外にあり、このような表現だけでなく、機器に与えられた命名なども理解を超え、ふざけすぎた展開に飛ばし飛ばし読み進みはしたが、結局はギブアップという結果となった。

 ところが、解説によれば、「本書は椎名SFの最高到達点の一つで、ひときわ鋭い輝きをもつ」そうであり、程度の低さに辟易していた私には想像を絶する賞賛の言葉、「あぁ、これは相性が悪い」というしかないことを悟った。

 私にとって著者は決して嫌いなタイプではなく、フアンとしては地球上の僻地に両足を乗せたレベルの高いドキュメンタリーを期待するばかりである。


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