高峰秀子 暮らしの流儀/高峰秀子、松山善三、斉藤明美共著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

高嶺秀子

「高峰秀子 暮らしの流儀」
高峰秀子、松山善三、斉藤明美共著
2012年1月25日 新潮社より単行本初版 ¥1600+税

 

 高峰秀子は、往年、美人というだけでなく才女としても名をなした女優、2010年に86歳で逝去、書き残した原稿があるというだけでなく、高峰秀子の文才は学校の教科書にも載ったことがあるほどで、そういう原稿に夫である松山善三と養女である斉藤明美が加わり、作品化したのが本書。(表紙は松山、高峰夫妻)

 高峰秀子の著作、「人情話・松太郎」は2008年10月3日に、本ブログで書評している。

 この人は映画「二十四の瞳」で有名だが、私個人は女優としてではなく、著作を通じて知った人間味に魅了されている。ものの見方がふやけていない、ブレがない、優雅のなかに適度の辛辣さをあわせ持っているところなど、話をしたら楽しい人だろうと思わせる人格。

 この夫婦はハワイにも家をもち、ハワイ在住期間も短いものではないが、ハワイでのことを書いたくだりに以下がある。

 「日本人の歩き方は100人のうちまともな歩き方をする人は1人。日本人の歩行姿勢は東洋人のなかでも最低で、先日もハワイの街を歩いていて、向こうからひときわチンチクリンのガニマタが歩いてくるなと思っていたら、わが愛する夫だった。すわるという習慣のほかに、日本人が潜在的にもつ外国人に対する劣等感が背景にある。ことに男性の歩き方は肩を落とし、膝を曲げ、上体をゆすりながら顎だけ突き出して歩く。その醜さでは文化国家を語る資格はない。」(文章は若干私が変えた)

 本書には家庭での写真も多数収められ、高峰家をより身近に感じることができるように校正されている。

 私は「高峰秀子は昭和の清少納言だ」と思っている。なにより、品格が高いのがいい。


前後の記事

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ