西洋近世哲学史/量義治著

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「西洋近世哲学史」 量義治著
1995年 講談社より初版
2005年12月 講談社 文庫化初版

 ルネサンス以降、カントを経てヘーゲルに至るまでの西欧哲学の流れを、宗教改革者のルター、惑星の発見者であるガリレオ・ガリレイ、運動理論のアリストテレス、天動説を前面に打ち出したプトレマイオス、地動説という大胆な仮説の定立を試みたコペルニクス、重力の問題を引力の問題に還元したケプラー、科学的見地から数学重視を説いたデカルト、万有引力の発見者ニュートン、「神即自然」を提示したスピノザ、「信仰と哲学は矛盾しない」と説いたライプニッツ、イギリスの経験論者ベーコン、「人間知性論」のジョン・ロック、「存在することは知覚されることである」との有名な言句を吐いたジョージ・バークリ、懐疑論的傾向を強めたヒュームなどなどの言説を網羅した書籍。

 はっきりいって、決して易しい書ではない。

 「コペルニクス的転回」との言葉はカントによるもので、伝統的な対象中心主義から認識中心主義への思考法の百八十度転回を意味することを本書によって知ったが、哲学書特有の「限局する」「失当ではない」「究極する」「純粋悟性概念」「定立する」などの言葉遣いに次第に頭痛を覚えた。

 神を絶対的なものとして信仰してきた西欧人がなぜ戦争を起こしては互いに殺し合い、下っては平和に暮らしていた発展途上国に侵略しては現地人を殺戮し、物資を略奪したのか、そういった疑問を解く鍵が見つかるかも知れないとの思いで、本書を手にしたのだが、まったくの無駄だった。

 「西欧哲学は神の存在を証明するための道具にすぎなかった」という学生時代に得た認識を変えることもなかった。


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