夜ごとの闇の奥底で/小池真理子著

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よごとのやみのおくそこで

「夜ごとの闇の奥底で」  小池真理子著
新潮社  1996年2月文庫化初版

 サスペンスを読むのは久しぶりだが、この作家の作品に対して悪いイメージがなかったことを思い出し、読んでみることにした。

 登場人物それぞれの個性に際立つものがある点と、ストーリー展開が平凡でない構成になっている点とがうまくマッチしていて、読書の継続を飽きさせず、牽引力がある。

 ただ、主人公をペンションの地下室に閉じ込めるオーナーの老人のキャラクターがあまりに奇矯、狂的な点には「創作上の人物」然とした印象が強く現実感が希薄。もう一つ欠点があるとすれば、夢の話が多いこと。

 「放尿しながら、あらゆる意欲が萎えしぼんでいく」という表現には感銘を受けた。また、「自慰行為を見られているような恍惚感」というのは私には不可解。

 結論として単純に印象を述べるとすれば、「面白いし、飽きずに読みきれる」というところか。


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