進化の地図帳/おもしろ生物学会編

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しんかのちずちょう

「進化の地図帳」 生物学会編
青春出版社より2009年8月5日 初版 ¥476+税
副題:生命誕生から36億年・ダーウィンも驚きの真実

  最近出遭った本のなかでは最もおもしろかったし、学ぶことも多かった。知りたがりやにはうってつけの滋味あふれる内容。

 たとえば、第一章で「DNAとは30億文字に相当する情報で、これを遺伝子といい、ゲノムとは遺伝子以外も含めたDNA上の全情報を指す」と説明しておきながら、最後の第五章では「ほとんどの人間は自分の潜在能力を使いきれずにいる。そのことは遺伝子情報の膨大な量に比べ、生存中に機能した部分が圧倒的に少ないという点からも言える」とある。

 さらに、「成年になれば家族をつくってこれを守り、子を育て、ストレスの多い複雑な社会のなかで生き、成功するために、ヒトは賢くなければならず、そのことがヒトの脳を大きくさせたはずだが、ヒトは脳のサイズに見合った能力を発揮していない」と上記に重ねた話がある一方で、「脳の大きなヒトの直立姿勢は設計ミスといえるほど奇妙で、あり得ない姿勢。ストレスによる首や肩凝り、腰痛、痔、産道の狭窄などの原因となっている」と見方、考え方の違いばかりでなく、アングルを変えるとこうなるといった話まで紹介してくれる。

 もう一つ、「ヒトと猿とは600万年前から500万年前に分岐したが、ヒトが猿から進化したわけではない」、「海から陸に最初に第一歩を踏み出したのは4億5千年前で、それはコケだった。コケこそがパイオニアだった」と。

 もう一つ、「地球の歴史は種が生まれて滅びていく過酷な『絶滅の歴史』でもあった。大量絶滅はくりかえし起こってきたし、今後も起こる。いままで地球上に現れた生物の90%-99%はすでに絶滅したと考えられている。数でいえば、50億から500億種。現在まで種を残し続けている生物のほうが実は奇跡的な存在。

 2億5千年前のペルム紀の終わりに起こった大量絶滅の規模は半端ではなかった。海洋生物は80ー95%、爬虫類と両生類はすべての科の3分の2、昆虫類は3分の1、全生物の96%が犠牲になった。原因はパンゲア大陸を取り巻く海面の低下が海洋生物の生息域に影響したことに加え、火山噴火が数百万年間も続き、温暖化と酸素欠乏の原因となった。このペルム紀末の大量絶滅から生命回復まで500万年を要した」。 

 さらに、もう一つ、「動物にも血液型がある。例えば猫、80%はA型で、O型はゼロ」

 おもしろいと思ったところを紹介してるとエンドレスになるので、やめておくけれども、学術的でありながらウィットに富んだ解説が印象的。


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