世界の歴史がわかる本(古代四代文明~中世欧州篇)/綿引弘著(パート1)

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世界の歴史がわかる本 古代四代文明~中世ヨーロッパ篇

「世界の歴史がわかる本」
綿引弘(1938年生/NHK高校講座担当)著
文明の発祥と民族の興亡、そして大帝国の盛衰
古代四大文明~中世欧州篇

書評「パート1」

 本書は世界史を僅か3冊の文庫本に凝縮して収め、本来膨大な量に及ぶ内容のものを最も簡潔にまとめ、多忙な読者に世界史のポイントを大雑把にでも把握させようとの目的で編まれたもの。

 ために、必然的にではあるが、文章は簡便に、解説は可能な限り少なくし、しかも世界史を彩る枢要な部分を省くことなく、網羅することを著者が自らに課した感がある。

 したがって、世界史を克明に知りたいという読者には若干物足りないものを残してしまうものの、作者、あるいは編集者の意図はそれなりに全うされており、評価に値する。

 本来、歴史に関する書物は、年表別に解説が加わるものだが、(むろん、本書にも年表は別のページに明記されてはいるが)、基本的には項目別に解説がなされ、時系列について、年表をチェックしないと、脳裏が混乱することがあり、その点で苛々することがあった。

 とはいえ、世界の歴史を僅か3冊の文庫本に収めようとの意図がある以上、このようなまとめ方が最善だったのではないかとの納得が読者としての私にはあった。はっきり言って、一国の歴史だけでも、それなりの量があり、1冊や2冊で全貌をまとめることには無理があるのだから。

 もし、本書から格別に興味を覚える文明や国史があったら、それを詳細に説明する書物を探して、あらためて読んでみるしかないだろう。その意味では、本書は一種の指針を与えてくれる書として認識したい。

 尤も、本書から思わぬことを学ぶこともある。例えば:

1.インドのカースト制度は16世紀にポルトガル人が持ち込んだ「血統」を意味する「カスタ」に由来する。

(これは初の知見であり、そんな封建色の強いものになぜインド人は拘泥、執着したか、そして現在もなお拘泥しているのか理解の埒外)。

2.インドでサンスクリット語が完成したのはマウリア王朝以来の大国家を築きあげた「グプタ朝」であり、4世紀初頭のこの時期に円周率が算出され、十進法が確立し、ゼロの理論が導きだされた。アラビアの数学はサンスクリット語をベースにしている。

 本書には古代文明のエジプト、チグリス・ユーフラテス文明、黄河文明などが網羅され、アッシリア王朝、ペルシャ王朝、ギリシャの都市国家、アレクサンダー大王の東征、ローマ帝国の勃興などにも触れているが、上記の二点は私が知らなかったという点で、記憶に残ったものである。

 また、私個人としては、この際、世界史を概観しておきたいという意図があって、本書3冊の入手ということになった。また、本書の内容には初めて知ったことが多く、後日、その部分を「パート2」以下、分割して記すが、内容は半分以上私個人の備忘録。


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