性転換/ディアドラ・N・マクロスキー著

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性転換

「性転換」 ディアドラ・N・マクロスキー(Deirdre N McCloskey)著  原題:CROSSING
野中邦子訳  文春文庫

 53歳で女性になった大学教授の実話。当人は長いあいだ性同一障害に悩んでいたが、家族に女になることを告げたとたん、妻に離婚され、娘と息子にも去られた。(表紙写真の左が男性時代、右が女性に性転換した後)。

 本書は二度読んだが、どうにもコメントしにくい。言葉がない。

 自分の父親がある日突然女になったらと想像してみたらいい。女になった父親を「お父さん」と呼ぶのだろうか、いや、呼べるのだろうか。一緒に生活できるのだろうか。逆に、女になった本人は子どもに何と呼ばれたいのか、それについては触れられていない。

 本書は著者が真面目に正直に誠意をもって書いているし、そのことはよく理解できるのだが、自分の身に置き換えて考えてみると、やはりどう対応、応接してよいかわからない。本書の娘や息子がそうであったように、やはり気味が悪いし、世間に対して恥ずかしいという並みの感慨しか浮かばない。

 性転換手術(男が女になるケース)には「陰茎の皮膚を利用する方法」と「上行結腸・大腸を使う方法」との二つがあって、「膣を形成する」こと、その膣はオルガズムさえ感じさせてくれること、また、国によって治療費が保険でまかなわれる国とそうでない国があることなど、いろいろ、この世界のことを学ぶことはできた。ただ、常に膣内のサイズに気を配っていないと、人工的な膣はどんどん狭くなってしまうそうだ。セックスを欠かさないことが要諦かも知れない。

 人間ていう生物はいろんなことをするんだなという感想。


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