愛の決断/ダニエル・スティール著

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ダニエル・スティール 愛の決断

「愛の決断」 ダニエル・スティール(Danielle Steel)著
霜月桂訳  原題:Heartbeat
扶桑社ロマンス刊  1994年2月文庫初版

 アメリカのホームドラマといった印象の小説だが、主人公の女性の在り様が積極果敢な、自己主張の強いアメリカ女性らしくない点に、僅かながら違和感と苛々を覚える。

 決して薄っぺらではない本だが、一気に読ませるストーリ展開はさすが恋愛小説の大御所の著作だという感じがある。

 ただ、訳者の「あとがき」に、そういう作家(女性)が何度も結婚、離婚をくりかえした体験者とあり、そういう人物が「愛の本質、心の豊かさ、温かさ、誠実さ、生命への慈しみ、勇気などといったものを現代的な設定のもと、巧みにあぶりだした」という解説には首をかしげざるを得ず、一気に読まされてしまったことに名状しがたい腹立ちを覚えた。

 言葉を換えれば、「愛を首題とする小説家として面目躍如たるものがある」との解説に、何度も離婚をくりかえさないと愛の本質は理解できないかのような印象を受け、それが不可解な、納得しがたいものを感じさせるのだ。


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