バブル女は「死ねばいい」/杉浦由美子著

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バブル女は「死ねばいい」  杉浦由美子(1970年生)著
副題:婚活、アラフォー(笑)
帯広告:どんなに不況でもバブルは続いている
2010年8月20日 光文社より新書として初版
¥740+税

 タイトルが「バブル女は死ねばいい」とはあるが、バブル時代に企業に職を得た女性らを憎悪して著した書籍でないことをまず断わっておく。

 以下は読書しながら、目の止まったところを脈絡なく記載し、さいごに私の個人的意見を披瀝する。

 本書は「バブル期に時代を先駆けた女たちに騙されず、身を守り、新時代を生き抜くためには」というテーマで書かれた一書であり、それはここでいうバブル時代に社会人となった女たちは正社員採用された既得権を持っている強みにガードされたばかりか、男女間で食事をしても割り勘のない時代であり、食事代はおろか、呑み代も、帰宅するためのタクシー代もすべて男たちが払ってくれた時代だった。

 一方、アラフォーは40歳になっても、「女としては現役」というメッセージだが、言葉を換えれば「四十女」、「中年女」、なかには「年増」と痛烈な言葉をぶつける人もいる。

 むかし、「ミーハー」といわれていた言葉は消え、変わって「スイーツ」という言葉が浮上している。スイーツはカップルを基本に考える。

 バブル世代の女性が出産後また事務職に戻ったらオフィスがOA化されていて、パソコン操作が不慣れで再就職できないという話もあった。

 バブル世代まではブランド品を男性に買ってもらっていた。一方、団塊ジュニア以降は自腹で買っている。

 バブル女は子供の成績が上がらず、思うようにいかないと、モンスターペアレンツと化す傾向がある。

 「アラフォー」という言葉が普及したのは、40歳でも女として現役というイメージがバブル世代の心を掴んだからだが、現実問題として30台後半の女性は体力が落ちるし医学的にも自然妊娠が若干難しくなる。

 癒しを与えてくれる女性が欲しいというのが40男の婚活の理由で、必ずしも子供を欲してのことではない。

 フランス人の女性は外見で独身か既婚者かすぐ判る。なぜなら、フランス女性は相手が欲しいという感情を素直に表に現すから。

 この国では伝統的に女性同士の関係性がタイト、うまく立ち回っている女性でも、どこかで女社会に疲弊している。結果、ガス抜きとして女社会批判やカップル文化への憧れが必要となる。

 現在の女性は経済力がないと、結婚がむずかしい。男が稼いでくれる女性にシフトしているから。

 30台未婚女性の8割が家族と暮らし、パラサイトしている。

 年収の高さと、恋人がいない期間が比例している。職場で生き残るために努力してきたら、そうなった。女子の場合は、昇進やスキル、キャリア、年収などでバブル世代を抜いても、そうそう簡単には溜飲を下げることはできない。

 「男性と同等に働く自分」というイメージに酔っているバブル女たちの空虚さが笑われている。バブル女たちは未だに終身雇用制度を信じているがゆえに、女だてらに男性と同等にバリバリ働く。

 バブルキャリアーのなかで今最も輝ける妖怪は政治家の蓮航。一方、「女だてら」を標榜、田園調布にロックバンドを結成、バイクを運転し、退学になり、留学する話を自慢げに口にするのが野田議員。

 母性は退化しているのか? 子供を生んで育てることが難しくなっている。慎重な人、現実的な人ほど「子供は必要ない」と応えざるを得なくなっている。

 バブル女たちがなぜ万能感をもち、物質的なことで満たされているのか? その理由は育ってきた時代背景にある。バブル世代の親は団塊世代の一つ前で、戦争を知っている世代。便利な電気製品が次々と世に出てくるや、これらを入手し、ルイ・ヴィトンのバッグを手に、スポーツ車のハンドルを握ったりする人生が右肩上がりを感じさせ、万能感に繋がってきた。

 これに対し、団塊ジュニア以降は、物心ついた時にはテレビはカラー、ファミリーコンピュターをつないでゲームソフトを楽しんでいたし、物質的な豊かさが当たり前になっていた世代。

 シングルマザーになれるか否かを決めるのは度胸。

 作者は「バブル世代に較べて、急激に団塊ジュニア女子は産めなくなっている。一つの世代の違いでどうしてこんなに差があるのか。その理由を探りたいと思い、本書を執筆した」と「おわり」の欄に書いている。

 作者はさらに、「子供を生むこと、そして子供を育てること、これ以上に価値のある生きる理由がほかにあるだろうか。あんなに豊潤で、愛おしい存在がほかにあるだろうか」と結んでいる。

 私はかねて思っているのだが、「女にとって」というより「人間にとって」この世に生を享けた以上、なによりもまず子孫を残すことが望ましい。子を産み、育てる過程には、企業などの仕事に邁進して得られる何ものをも凌ぐ異質の喜びがある。子育てよりも面白く、楽しく、意義のある、崇高な仕事などこの世にはないような気さえする。


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2 Responses to “バブル女は「死ねばいい」/杉浦由美子著”

  1. withyuko より:

    バブル女、アラフォー、私もまさにそんな世代です!最後の結論、私もまったく同感ですが、ひとりでは子孫は残せませんし、いろいろな事情もあり・・・最近は私のように子供がないバブル女も多いです。そしてその思いも様々です。それがすべて無駄と言われてしまうと・・・悲しいです。よく思います「私は何のために生きているのか?」でも、子供がいる人でもその答えは簡単に出せないと思います。

  2. hustler より:

    言葉が足りませんでした。私の家庭は子供は一人ですが、授かるまで10年かかりました。欲しくてもできない人は幾らでもいるし、それぞれに事情もあるでしょう。

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