イノセント/小池真理子著

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イノセント

「イノセント」 小池真理子著
帯広告:恋は一瞬を永遠に変える
1999年10月単行本
新潮文庫 2006年6月文庫化初版

 「一遍の詩」といった印象、大人の文体になっている。

 ただ、モンゴロイドの物語にコーカソイドの写真は似合わないだけでなく、滑稽、狡猾、悪趣味、諧謔、ある意味では侮辱的。

 それとも、写真を隠れ蓑に使い、読み手の頭脳を混迷させる目的なのか。

 読んでいて、ふと思ったこと:いつも男が女を抱擁しているのだとばかり思っていたが、それは誤りで、実際は、女によって男が抱擁されていること。男は女の肌との接触を望みながら、女からの抱擁を請い願う動物。男は女が思っているほど大人ではないという事実をあらためて、本書とは関係なく、思っていた。というより、「思いついた」といった方が正しいかも知れない。

 要するに、男は一生を通してガキっぽく、足が地についていず、ふわふわしている。きわめて非現実的なことを真剣に考えるのも男。一見ロマンチックだが、ま、バカの一種。女は一生を現実的に生きる。現実的に生きる上で、不必要なものには見向きもしない。だから、男より長生きする。


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