日本の刑罰は重いか軽いか/王雲海著

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日本の刑罰は重いか軽いか

「日本の刑罰は重いか軽いか」  王雲海(中国人)著
集英社新書  2008年4月初版

 著者は中国西南政法大学卒、一橋大学院法学研究科教授、アメリカのハーバード大学客員研究員。日本、アメリカ、中国の法律に関しては熟知する立場にある。

 作者の基本的な三国に対する姿勢:

 1.中国社会の原点は国家権力であり、「中国」とは一つの政治的概念である。国家は民衆を統制し、上級権力者が下級権力者を支配するための規則として法律を利用する。法律は昔から中国では、民衆支配の道具として使われてきた。

 2.アメリカの原点は法律そのものである。人々の生活に最も大きな影響を及ぼすのは法律であり、訴訟社会を裏書きしている。(多民族国家としての必然)

 3.日本社会の原点は文化である。人々の行動や生活に最も大きな影響を及ぼすのは権力でもなければ、法律でもなく、常識、慣行、習慣など公式化されずに、民間に存在する文化である。

 と、特徴づけて解説する。

 読後の印象としては、比較する三つの国がそれぞれあまりにも文化、風習を異にする事実、米国と日本について詳細をきわめる解説を提供しているのに比較し、中国自体についてはやや手抜き、というより遠慮が働いている感が拭えない。「国際的に決められた著作権法さえ守らぬ国の人にそこまで言われたくはない」といった反発が胸底に常時響くのを抑制できなかったというのが本音。


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