地図男/真藤順丈著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

地図男

「地図男」 真藤順丈(しんどうじゅんじょう)著
2008年9月12日 メディアファクトリー刊
単行本  ¥1200+税

 本書は「ダ・ヴィンチ文学賞」受賞作だが、ほとんど同時期に別の作品で「ホラー小説大賞」「ポプラ社小説大賞特別賞」と、三つの作品が受賞対象になっている。いま売れっ子といったところらしい。

 しかも、ダ・ヴィンチ賞は審査員全員が一致して本書を押したという。

 残念ながら、私は「地図男」という本なら、世界地図が背景になっている小説かと勘違いし、取り寄せたところ、普段は決して読まないホラー小説であることを知って仰天。

 相性が悪いというべきか、「ホラー小説だからって荒唐無稽でいいってわけないだろ」と、文体にもむかつきつつ、しょっぱなから鼻白んでしまった。

 だいたい、3歳の子が軽トラックの荷台に自分で乗れるわけがないし、曲に歌詞をつけられるわけもない。まして、「レコーディングしたい」などと言うわけねぇだろと苛々がつのるばかり。

 この作品が好きな人には申し訳ないけれども、私には発想自体に偏執があり、異常を過剰に表現することで際立とう、目立とうという魂胆があるように思えてしまう。発想が奇抜というよりも、奇を衒いすぎてるだけの作品としてしか、私には思えなかった。あるいは、私自身に荒唐無稽を愉しむ余裕がないのかも知れない。とはいえ、現実の世界にも、未知の驚異は幾らだって存在するという思いは棄てがたい。

 もっとも、罪は内容をチェックもせずに入手した自分にあるのだが。


前後の記事

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ