髙樹のぶ子BOOK/高樹のぶ子著

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高樹のぶ子BOOK

「高樹のぶ子BOOK-ロング&ワインディング・ロード」
高樹のぶ子著  マガジンハウス

 少女時代の思い出エッセイが主体だが、なかにダブってる部分が多く、いまいちのものもあった。

 ただ、なかに「子猫」「三味線」の二篇の短篇は、さすがという内容。いずれも男と女の、ある意味、言葉を超えた、不可思議な関係で、高樹作品として躍如たるものがある。

 久しぶりに胸に迫る小説を読んだという気にさせられた。いつ読んでも、この人の恋愛小説には凄味があるが、言葉をオブラートに包まない烈しさ、遠慮のない踏み込み、赤裸々でシャープな筆致がそうした印象を読者に与えるのであろう。

 対談編から:

1.女性は受胎能力に比例してセクシー。(受胎能力の欠落はセクシー度の喪失?)

2.女にとって恋愛する相手の男はANOTHER WORLD(別世界)への窓口。別世界をのぞく窓口だから、世界は広く濃密で、深みがなければいけない。

3.エロスは互いの距離が固定されたら発生しない。距離が流動しているときにエロスは発生する。(マンネリになると別離以外に術がないとの意味かも知れない)

4.男と女には意外性の演出が必要だ。(関係を具合よく長引かせるために? 安心しきった関係は恋の終焉を意味する?)

 この作家は男と女のことがわかっている。


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One Response to “髙樹のぶ子BOOK/高樹のぶ子著”

  1. spork より:

    高樹さんの本は勝手な先入観があって読んでなかったのですが、件の短編、読んでみたいと思います。

現在はコメントを受け付けておりません。

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