本は10冊同時に読め!/成毛眞著

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本は10冊同時に読め

「本は10冊同時に読め!」 成毛真(1955年生)著
三笠書房 出版年月日は不明(こういう書籍に出遭ったのは初めて) 知的生き方文庫

 本を読む目的は何なのか?

 初めから想像力だとか、直観力だとか、創造力だとかをGetすることを期待して読んでるわけじゃない。ましてや、人を出し抜き、身を置く組織の中でトップを狙って読んでるわけでもないし、理論武装しようという意思なども毛頭ない。

 面白そうだから、人に奨められたから、読んでみて、あるときは感動し、感銘を受け、あるときはがっかりし、ゴミ箱に放り込む。

 「10冊を同時に読む」という作者は初めから頭の出来が違っているからで、だからこそマイクロソフト日本法人の代表取締役にもなり、IT関連分野での成功者にもなっている。

 我々一般は読書の目的を「庶民からの脱却」や「高い地位への欲求」に置いているわけではない。あくまで、知ることが楽しいから、未知への遭遇に心ときめくから、単純に知りたいから、また、ときには癒されるからであって、1冊ずつじっくり読みたいという意思の方が強い。

 若いときから努力し、慣れれば、いちどきに数冊の本を同時に読むことも不可能ではないとは思うし、飛ばし飛ばししながら読むこともできるし、現にそうしたこともあったが、この作者の真似をしなくとも、読書を続けている限り、想像力を刺激され、直観力に響き、ひいては創造力に結果することもあると私は思っている。むしろ、読んだ内容のポイントを記憶に残すことの方が大切なFactor、要素なのではないか。

 「同時に10冊読めるぞ」というのは、聖徳太子が「一度に10人の話を聞いてやれるぞ」と言ってるのに似た、不遜を感じてしまう。複数の本を同時に読むことで何か大切なことに気づく、それまで考えたこともないことが脳裡に浮かぶということがあり得ることは判るが、それだって、各人のセンスや能力に依存している。

 ただ、たまたま出遭った本が人生を変化させる機会を提供したり、社会生活における決定的な事象への判断力になることは大いにあり得る。ときには、金儲けに繋がるヒントを得ることもあるだろう。

 作者は「本を読まない人はサルである」と言っているが、実はつい最近、私は50代の女性で「これまで本というものを一冊も読んだことがない」という人と出遭い、こういう人が世の中に存在することに驚愕し、胸がふさがれた。

 若い頃は、本棚のない、本の影さえない人の家に招かれたとき、招いてくれた人物の知性や知的レベルを推量して軽蔑したこともあったが、人によっては私のように「本こそが最高のインテリア」などとは思わず、所有していても、人目につくところには置かないという人もいて、簡単にその人物の知性を測るのは早計ということのあることを知った。

 とはいえ、この作者が一般の読者のように、感動や感銘を追って本を読んでいるのではなく、マイクロソフト的な未来の新しい社会的ニーズを読書を通して探索しているような気がする。


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One Response to “本は10冊同時に読め!/成毛眞著”

  1. withyuko より:

     Hustlerさんなら、一度に10冊読まれるんじゃないか?と思いました!でも、この著者に大賛成!っておっしゃるんじゃなくってホッとしました。たぶん頭が良くてお忙しくて時間がないから、必要な知識を要点だけ本から吸収してらっしゃるんですね?この著者は。でも、本を読まない人がいる!のってびっくりですね~。若い人ではけっこういますけど、、、マンガしか読まない人とか。本を読まないなんて損してますよね?そのひと。

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