発禁本・秘本・珍本/城市郎著

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hakkinnbon

「発禁本・秘本・珍本」 城市郎(1922年生)著
1968年に山王書房出版の「悪書のすすめ」を底本とした河出書房オリジナル
2009年11月10日 河出書房新社文庫
¥850+税

 本書は作者が発禁本に憑かれ、その種の書籍収集に専心、没頭し、米寿に達するまで膨大なコレクションを蔵書としたなかから、際立つ書をピックアップし、紹介するという形式を採っている。

 育った年代の違いというべきだろうが、文章や言葉使いに馴染めない表現があって、読書の継続に難渋する気分に陥るし、表現にも古臭い感じが否めないものの、網羅した書籍は洋の東西を問わず、古今におよんでいる。

 この分野では有名なインドの「カーマ・スートラ」はもちろんのこと、アラビアの「千夜一夜物語」、フランスの「艶婦伝」、イタリアのボッカチオが書いた「デカメロン」、イギリスのロレンスが書いた「チャタレー夫人の恋人」、江戸期に井原西鶴が書いた「好色一代男(女)」、中国の「金瓶梅」や「肉蒲団」などなど、卑猥で淫猥な内容のものが大部分で、こういう書籍の収集に生涯を賭けた男の単純さというべきか、単細胞的というべきか、エロ本のコレクションにそれほどの価値を感じない人にとって作者は「埒外の人物」ということになるだろう。


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