しょっぱいドライブ/大道珠貴著

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しょっぱいどらいぶ

「しょっぱいドライブ」 大道珠貴(だいどうたまき)著
文藝春秋刊  芥川賞受賞作

 作者は39歳の女性。

 主人公は34歳の独身女性。 身勝手で、若く、格好のいい不良男に執着しながら、一方で、金だけはもっていて、態度のはっきりしない60代の男に傾斜していく心理を描いたもの。

 人間関係がふにゃらけたものに感ずるのは、どの登場人物にも実在感が希薄なところ、いつ蒸発してしまっても納得できるようなイメージからきているのかも知れないが、その微妙な間合いこそが新しい世界を垣間見せている。

 それにしても、経済成長に加担し、バブルを体験した60代前半の世代に、これほどしゃっきりしない男はめずらしい。とはいえ、同世代の男はこの本を喜んで手にしたであろう。

 正直な感想だが「富士額」、「タンポポと流星」をあわせ、どれもインパクトが弱く、読後感が希薄。


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