女子中学生の小さな大発見/清邦彦著

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じょしちゅうがくせいのちいさなだいはっけん

「女子中学生の小さな大発見」
清邦彦(せいくにひこ)編著
新潮文庫  2002年8月 文庫化初版

 理科の教師である著者が静岡市内にある中学校の女子生徒を対象に、「理科する心」をそれとなく教えた成果(なかには間違った理解も含まれてはいるが)をまとめた内容。

 女子生徒の発見の例:

1. うちのネコは一日に18時間以上寝る。

2. 醤油は凍らない。

3. ナメクジは塩よりも酢に弱いが、粉石鹸にはさらに弱い。砂糖でも、かけると、死ぬ。

4. ダンゴ虫を冷凍庫に入れると、5分間なら生き返るが、それ以上だと死ぬ。

5. ナメクジはピーマンでもチョコレートでも食べる。

6. 蝉は、種が同じでも、生息地域によって鳴き方が異なる。

7. 蟻は3階から落としても死なない。

8. 蟻退治には酢が効果的。

9. ゴキブリの触覚を切断すると、動きがとれなくなる。

10.168gのスジコには1505個のイクラの粒があった。

11.25度の水は冷たいが、同じ25度の気温は温かい。

12.茹でたとき、牛乳が沸騰点に達するのが最も速く、油は110度でも沸騰しない。

13.砂時計は必ずしも、正確な時を刻まない。

 などなど、数えきれない大発見、珍発見が羅列され、編著者は内容に間違いがあっても、そのままの記述を生かす手法を採り、どうしてそうなるのかなどといった理屈にも触れない。見事な自制力。

 子供らの好奇心を上手にひきだし、理科の面白さを伝えることに腐心する姿勢こそが教師に望まれる資質であり、この先生はそれを見事に具現している。

 このような教師に出遭えたことは子供らにとっても幸運なことであり、その子供らが将来、家庭をもち、子を持ったとき、子の興味を惹く対象を上手にピックアップできるだろうし、「勉強」などという嫌な言葉を使わずに、「学ぶ」こと、「知る」ことの愉しさをも教えることができるだろう。

 蟻の胴体を上下、半々に切断し、手足の動きが止まって完全に死に至るまでどのくらいの時間がかかるかを調べたり、上記にあるように、ダンゴ虫を冷凍庫に入れてしまうなど、女の子には意外な残酷を平気でやるケースが多々あることを本書から学んだことも事実。


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