やっぱり、イギリス人はおかしい/高尾慶子著

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「やっぱり、イギリス人はおかしい」 高尾慶子著
文藝春秋刊 単行本 2006年10月初版

 大阪のおばはんの、まとまりのない、尽きないおしゃべりに最後までつきあわされたといった印象。

 タイトル通り「イギリス人のおかしさ」だけに焦点を絞って書いてくれていれば、もっと読みやすく、かつ期待を裏切られもしなかっただろうと思うが、話があちこちに飛びすぎることが本書の欠点になっている。

「イギリス人は何が恥かを知らない」(具体的にもっと書くべきだ。「日本人はなにかというと過剰に恥ずかしがる」とは西欧一般の日本人に対する印象)。

「蒸気機関車を発明したのはイギリス人であることをイギリス人もその周囲も知らなかった。それは現在の鉄道やバスなどの交通機関があまりにもお粗末だから。これで2012年のオリンピックが開催できるのか、恥をかかずに」

「イギリス人はだれもが自動的に英国は偉大な国だと思うように教育される。現在、具体的に、どこにGreatなところがあるのかわからない」

 (時代は Great だった国をただの発展途上国にしてしまうのが歴史、ただ、イギリス人の言うことに耳を傾ける人々はまだたくさんいる。歴史上、数々の失敗、残虐行為をした実績をもちながらも)

「郵便が期限内に到着することはない」(発展途上国並み)

「アメリカは子共の社会。だから、ブッシュが選ばれた」(鋭いところを突いている)

「イギリス人にはアドヴェンチュラス志向が強い。好奇心をもって行動に出る。そういうキャラクターがある。それがダーウィンを生み、かつまた植民地を拡大することに役立った。イギリスは宣教師をうまく使った」

 (キリスト教徒が他国人を殺した数では空前絶後であろう。また、宣教師の派遣、先導は布教という美名に隠れた領土的野心の裏返しでしかない)。

「イギリスとフランスを繋ぐユーロースターはトンネルも車両も日本の技術を学び、フランスのTGVも新幹線から学んだもの」。

 (日本もかつては西欧から学ぶばかりだった国、それが学ばせることができるようになった。とはいえ、中国の高速電車(チベット行き)の発注はフランスにとられている)。

「ヘンリー8世のころまで、イギリス人は手でものを食べていた」。(西暦何年か示して欲しい)。

「世界で最高のものを創ろうという気概と、商売とが噛み合っていない」

「日本人は義理と人情は知っているが、義務と権利は知らない」 (与えられたものの本質を理解するにはベースとアングルを変えてみることが大事)。

「日本は民主主義を知らないから、いつまで経っても「1対1」という人格に目覚めず、上位者はいつまで経っても主君の立場で横柄になる。

 (そういう企業は長くは存続しないが、一方で、多数決をベースとする民主主義というものがそれほどすばらしいシステムだとも思えない)。

「日本人は政治が悪い」といいながら、実際の投票は親類筋や知人から頼まれた人に投票する」

 (民度が低いんです。愚民の集まりなんです)。

「イギリスのアフターケアの悪さはアメリカにもはびこっている」。

 (だから、日本の自動車産業にやられてしまった)。

 
 「竹生島」の件や「領海の接する地域のガス開発」について、なんとかせいといっているが、日本に軍備と核武装があれば、簡単に片付く問題だと思いますよ。

 「ちゃうでー」と大声で有名ホテルのロビーを恥も外聞もなく、駆けずり回っている大阪のおばちゃんが、イギリス、フランス、イタリアなどを股にかけて旅をし、言いたい放題のことを言う。さすが関西人は違うわいというのが正直な感想。


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