立ち上がれ日本人/マハティール・モハマド著

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「立ち上がれ日本人」 マハティール・モハマド(Mahathir bin Mohamad/1925年生/元マレーシア首相/親日家)著
帯広告:アメリカに盲従するな!中国に怯えるな!自らの国に誇りを持て!
訳者:加藤暁子
2003年12月15日 新潮社より新書版初版  ¥680+税

 本書が2003年に出版されたことで、著者の将来予測、先見の明がいい加減なものでないことがよく判る。著者は50回以上も日本を訪れたことのある親日家であり、「Look East 政策」、つまり、日本を見習う政策を一貫して採用してきた。

 マハティールは序章で「今の日本では、失業率も高く、国民が自信を失っているようです。しかし、日本を再びいい国にするために、ぜひ頑張っていただきたい。みなさんには勤勉であるという日本人の素質が根づいているのだから、他国の言いなりになるのではなく、自分の考えで行動してほしい。そして、自信を取り戻し、日本人であることに誇りを持ってもらいたいと思うのです」と述べている。つまりは、現在の日本人を、日本の政治家を見ていて、歯がゆくて仕方がないのであろう。

 「アジアは日本に多くを期待し、友人であるのと同時にリーダーになって欲しいとのアジア人の期待に日本はこれまで応えていない」。(アジアのリーダーであるとの意識が欠落していること、いつでも、目がうろうろして、アメリカの動向、ロシアや中国の意向などに対し、過剰に神経質な体質が邪魔をしている)。

 「日本は東アジアが生んだ唯一の先進国であり、域内でリーダーシップを採る義務があり、同時に、経済力を強めている潜在的大国である中国をうまく御しながら、その責務を果たさせるのは日本であり、日本にしかできない」

 「個人の権利を優先させる欧米文明は倫理の疲弊を招いている。アジアは集団の利益を優先させる規律、勤勉、忠誠心を評価対象とする。特別な富裕層をつくるより、多くの人間の生活レベルアップを測り、全体を底上げしていく政治を行なう。それがアジアに合っている」

 「日本人の多様な感情。並存する曖昧さは日本人指導者を外国人にわかりにくくさせている。意見なり考え方なりを、堂々と、披瀝する国になって欲しい」

 「日本の茶髪、ピアスの若者から学ぶものは何もない。こうした社会現象は教育をしっかりさせることで矯正できる」

 「過去、日本がアジア諸国に迷惑をかけたことは事実だが、欧米諸国が世界の途上国にかけた迷惑に比べたら、雲泥の差であり、時間の経過とともに忘れ去られるだろう」

 中国を過大評価も過小評価もする必要はない。時間をかけて見ることが大切。抱えている問題が山積している。格差問題、医療の不公平、公務員らのあけすけな癒着と贈収賄などのほか、食品汚染が世界的に知られるようになった後の輸出がどうなるか、また、産業廃棄物垂れ流しの問題処理が放置されたままだし、西から砂漠化している現状をどう食い止めるかの具体案も見えてこない。

 最近、クリントン外交官をまず日本に送り、とりあえずご機嫌をとっておき、ついでに小沢と握手をし、北京に飛んだ。アメリカの国債を買ってもらおうと思えば、日本と中国は無視できないからだ。ただ、アメリカの国債が大量に印刷されれば、ドルの価値は必ず下落し、印刷する数にもよるが、ドルの威信の下落に歯止めが効かなくなる可能性すら秘めている。

 アメリカが考える「経済再生へのプラン」に同調できない点があれば、はっきり、We couldn’t agree to that point. と言い返し、思うところをぶつけるべきである。ふやけた外交、大統領へのへつらい外交だけは、もうやめてくれ。

 日本の政治が当たり前のレベルになるために、必要なことは、まず第一に「世襲議員の廃止」「タレント起用の廃止」「衆参両議院を廃止し、一本化を測って経費の削減を行なう」「一都一道二府四十三県をやめて、自治体の数を減らして、効率化を図る」。森元総理のように、中身がまるで解っていないのに、「IT関連だ、IT関連だ」などと、薄っぺらな知識で恥を掻かないような人間をトップに立てろ。

(なぜ、日本の政治家のツラは見ているだけでこちらの目が腐りそうなやつが多いのだろう。小沢にしても、青木にしても、亀井にしても)。

 マハティールの期待するような日本になれるのか否かは、日本人がどの程度、これまで向けてきた欧米への目をアジアに向けられるか否かである。北朝鮮のテポドンの1本や2本でビリビリするな。どうせ、日本に落ちれば、日本中がパニックに陥るのは目に見えているのだから、この際、核開発でもやっちゃいますか?!

 死に損ないの北朝鮮などに、威嚇されている現状は我慢ならない。解決には、簡単、武力の有無一つにかかっている。北朝鮮が世界で最低の国であることは等しく認めるところ。

 ドイツは欧州大陸のなかに在って、過去何度も戦乱に巻き込まれた。そのうえ、自ら第一次、第二次の大戦まで引き起こした。大戦後は、みずから憲法を書き換え、軍隊をもち、NATOの一員となり、国連の軍事行動にも参加している。そこにいくと、日本はたった1回の敗戦にこりごりしてしまい、軍隊を自ら持って自国を自分の力で守ろうという当たり前の意識すら喪失、アメリカと結んだ安保に依存して、中国の近海をうごむく艦船にぴりぴりしている。だらしない、情けない。大和魂はどこにいったんだ?


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