ステルス・ウォー/ベンジャミン・フルフォード著

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ステルスウォー

「ステルス・ウォー」  ベンジャミン・フルフォード(1961年カナダ生まれ)著
原題:Stealth War
副題:日本の闇を浸食する5つの戦争
2010年3月8日 講談社より単行本として初版 ¥1600+税

 作者は元アメリカの経済史、「フォーブス」のアジア太平洋支局長などを歴任し、果ては日本に帰化しているが、白人のジャーナリストとしての姿勢は堅持したまま、本書の執筆に挑んだのだと思われる。

 アメリカのニューヨーク、マンハッタンで起こったテロ、9.11は、実は「アメリカによる自作自演」であり、ブッシュ家とオサマ・ビン・ラディン家とは家族ぐるみのつきあいで、9.11当日、ラディンの家族はアメリカにいた、などと、いきなり書かれても、「あぁ、いつもの白人に共通するパパラッチ的嗜好と、鬼面人を驚かす仕掛けだな」と思うだけで、話としては面白いけれども、著作のなかにすんなりと入ってはいけない心境に陥る。

 作者に言わせれば、こうしたアメリカ上層部の手法は日本がハワイの真珠湾を攻撃することが事前に判っていて、なおかつ犠牲を厭わずやらせたのと同じ線上にあり、国民の間に今一だった戦争への高揚心を啓発するためだったが、9.11テロのケースではCIAが後方援助を行い、国民を怒らせることを目的にやらせ、思惑通り、ブッシュのアフガニスタンへの派兵はほとんどのアメリカ人が賛成するという結果を招来、成功したとのこと。

 偽造札として有名な「スーパーノート」にしても、言われてるような北朝鮮によるものではなく、アメリカ自身、つまりはCIAがつくらせたもので、スーパーノートで買えるものを核開発関連物、ミサイル開発部品、その他武器に絞っていた。

 本当の悪の枢軸はブッシュ・シニアで、ドルの安定を石油業界を牛耳ることによって達成した。石油を支配することでドルの価値を高めれば、際限なくドル紙幣を印刷し、大儲けできるシステムづくりに奔走できるからだ。さらには、「人口の間引き」をエイズ菌、SARS菌、鳥インフルエンザ菌などを培養、特効薬として世に出した「タミフル」では死者が出るという仕組みにするという話も、眉に唾なしでは聞いていられない。著者によれば、SARSも、エイズも、新型インフルエンザも、特定の人種に対してだけ有効で、それらをつくる能力をアメリカのロバート・ガロ博士はすでに知っていたし、開発に成功していたという。

 IMFの設立は戦後の経済復興を目的に、国際復興開発銀行とともに設立され、本部はアメリカ、ワシントンDCに置かれた。経済のグローバル化を促進する一方で、通貨価値の安定を名目に為替相場の監視を行なっている。実際には、ドルの国際通貨としての価値を守る門番であって、決して世界のために存在するものではない。

 総裁はアメリカ人しかなれず、専務理事は白人種しか就任できず、理事メンバーの過半数は常にヨーロッパ諸国から選ばれるなど、「白人優位主義」がまかり通っている。

 (そんな機関に金ばかり供出している日本はバカではないかといった論調だが、私もバカだと思う)。

 オバマはいずれ100兆円分のアメリカ国債を買っている日本を踏み倒すだろう。最大の国債引き受け手である中国にそんなことをすれば、戦争になるから、日本にすべてを押し付ける。

 オバマにとっての最大の問題は、とりあえず、イギリスのBP社のミスで噴出したメキシコ湾の海底油田であろう。海底は1500メートルほどだが、石油にぶつかった地層は5000メートルを越えたところ。今後、海底油田を掘る場合、こうした問題が発生した場合のリスクと、対応まで考えておくべきことを示唆している。

 IMFがいま考えている新しい通貨は「ムンド」で、ラテン語で「世界」との意味、中国、EU、さらに中東産油国などを集め、各国の通貨と緩やかに統合させていく。このとき、日本が参加する条件として突きつけられるのは、郵政マネーの300兆円プラス日本の赤字国債分を引いた、トータル700兆円に達する日本人の金融資産。闇の支配者たちは、世界平和の美名のもと、そのすべてを供出しろと要求してくるであろう。断われば、食料はおろか、あらゆる地下資源も日本に入ってこなくなるだろう。

 本書でまず怪訝に感じるのは、ブッシュ・シニアはすでに老齢であり、ブッシュ・ジュニアははっきり言って脳足りん、かつての閣僚、チェイニーやラムズフェルドが期待するような機敏な動きや狡猾さや思考の柔軟性とは無縁。

 「人口を間引く」という話にしても、もし中国人とインド人の人口を半分以下に間引くことに成功したら、私もこの著作内容を信頼することにする。総じて、真実味に乏しく感じられるのは、読者の納得に結果するような詳細な調査と過不足のない説明とに欠けていると感じられること。


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